概要
二宮神社は、歴史的にも重要な神社であり、千葉県内外からの参拝者が訪れる場所です。地元の人々からの篤い崇敬を受けながら、今日に至るまでさまざまな祭事が行われています。
祭神
神社の祭神は以下の通りです:
- 建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)
- 櫛稲田比売命(くしいなだひめのみこと)
- 大国主命(おおくにぬしのみこと)
- 藤原時平命(ふじわらのときひらのみこと)
- 大雀命(おおさざきのみこと)
- 誉田別命(ほむたわけのみこと)
藤原時平命を祀る背景には、治承4年(1180年)に左遷された藤原師経がこの地に住みつき、祖先の藤原時平を相殿に祀ったという伝承があります。
歴史
創建と由来
二宮神社は、弘仁年間(810年~824年)に嵯峨天皇の勅命により創建されたとされています。また、「三山」の地名は当社に由来するものと伝えられており、三山氏が代々神官を務めたとされています。
平安時代中期の『延喜式』神名帳には「下総国千葉郡 寒川神社」の記載がありますが、二宮神社はその論社とされています。下総国の二宮として朝廷からの崇敬を受けており、鎌倉時代には「総州二宮社壇」との表記も残されています。
江戸時代と明治期の変遷
徳川家康から朱印地10石を与えられ、江戸時代には幕府将軍からの寄進を幾度も受けました。明治時代になると、近代社格制度において郷社に列し、近隣の無格社や摂社を合祀するなど、規模が拡大しました。
境内の見どころ
社殿
現在の社殿は安永年間(1772年~1781年)に再建されたものです。本殿と拝殿の屋根は銅板葺となっており、権現造という建築様式が特徴的です。昭和53年(1978年)には船橋市の有形文化財に指定されました。
参道と鳥居
正面の鳥居から参道を進むと、一度低くなり谷を横断するように作られています。谷底には小川が流れ、その水脈は隣接する菊田神社の池にまで続いているとされています。参道の終わりには、大きく雄大な唐破風が特徴の拝殿が見えてきます。
文化財
二宮神社の境内には、多くの文化財が存在します。その中でも特筆すべきものは以下の通りです:
- 社殿(船橋市指定有形文化財)
- 斎藤園女等奉納句額(船橋市指定有形文化財)
- 二宮神社神楽(船橋市指定無形民俗文化財)
- 二宮神社のイチョウ(船橋市指定天然記念物)
祭事
二宮神社では、年間を通して多くの祭事が行われています。特に以下の行事は地元の人々や観光客にとっても重要です:
- 歳旦祭(1月1日)
- 御射初祭(1月7日)
- お筒粥炊き神事(1月14日)
- 節分祭(2月3日)
- 例祭(10月16日)
- 大火揚(旧暦11月13日)
- 下総三山の七年祭り(丑年・未年)
「下総三山の七年祭り」は、数え年で7年に一度行われる大祭で、船橋市、千葉市、八千代市、習志野市の9神社が参加します。二宮神社はその祭りにおいて「父」の役割を果たします。
交通アクセス
電車とバスの利用
二宮神社へは以下の駅からアクセス可能です:
- 津田沼駅(JR東日本総武本線)より、京成バス(津02 二宮神社行)で終点「二宮神社」バス停下車 (乗車時間20分)
- 薬園台駅(新京成線)より徒歩3分でバス停から船橋新京成バス(津08 二宮神社前行)に乗車し、終点「二宮神社前」バス停下車 (乗車時間10分)
- 京成大久保駅(京成電鉄京成線)より徒歩7分で「東邦大学前」バス停から京成バス(津02 二宮神社行)に乗車、終点「二宮神社」バス停下車 (乗車時間6分)
まとめ
二宮神社は、千葉県船橋市の歴史的かつ文化的な重要な神社です。その長い歴史や祭事、そして豊かな自然に囲まれた境内は、訪れる人々に心の安らぎと歴史の重みを感じさせます。地元の方々にとっても信仰の中心であり、地域の文化遺産として大切に守り継がれています。