概要
市原歴史博物館は「市原市全体を一つのミュージアムと捉え、市民と共に歴史を未来に繋いでいく」というプロジェクト「I’Museum」の中心拠点として設置されました。東京湾と養老川に関わる歴史や地形をはじめ、市原の人々が培ってきた豊かな歴史や文化を、地元の人々と一緒に保護・発展させることを目指しています。
展示コンセプトとデザイン
展示のコンセプトは、「東京湾と養老川が織りなす市原の歴史への旅」と題し、市原の地域特性や歴史に触れる旅を演出しています。メインのデザインモチーフには市原のシンボルでもある「養老川」が採用され、川が織りなす流れのように、各展示が連続性を持つ構成です。
常設展示のテーマ
常設展示は、「王賜」銘鉄剣の展示のほか、以下の6つのテーマで構成され、定期的に展示替えが行われます。
- 自然環境への適応 - 地域の自然環境と人々の関わり。
- フサの原像 - 地域の成り立ちを探る。
- 国府は市原郡にあり - 地方行政の歴史を知る。
- 民衆のちから - 地域の人々の力と影響を紹介。
- 農・漁村から工業都市へ - 地域の発展と変遷。
- くらしの姿と生活道具 - 日常生活を伝える道具や習慣。
また、千葉大学と連携した「触れる展示」も導入し、来館者が実際に手に触れて学べる体験型展示も行っています。
沿革
市原歴史博物館は1988年に建設された市原市埋蔵文化財調査センターを基に、2022年に増改築を行って新たに開館しました。長い歴史をもつ施設を継承しつつ、展示スペースの充実や新しい体験型エリアの設置により、より魅力的な施設へと生まれ変わりました。
施設の詳細
敷地と建物
施設は市原市能満地区に位置し、敷地面積は約12,364平方メートルです。以下のように建物が構成されています。
- 歴史博物館既存棟 - 延床面積は2,557.18平方メートルで、2階建てのRC造建物です。1989年に供用を開始し、2022年に改築されました。
- 歴史博物館増築棟 - 延床面積1,196.98平方メートルの新築棟で、RC造の2階建てです。
- 歴史体験館 - さまざまな歴史体験ができる新設のエリアです。
指定文化財
市原歴史博物館には数多くの文化財が展示されています。千葉県指定文化財や市原市指定文化財など、貴重な資料が数多く収蔵されており、来館者が直接目にすることができます。
千葉県指定文化財
- 江子田金環塚古墳出土一括遺物(359点)
- 能満上小貝塚出土品(6点)
- 山倉1号墳出土埴輪
- 西広貝塚出土骨角貝製装身具(250点)
市原市指定文化財
- 伝椎津城跡の石造宝篋印塔
- 人面付土器
- 「王賜」銘鉄剣(複製)
- 萩ノ原遺跡出土瓦塔
アクセス情報
公共交通機関
市原歴史博物館へのアクセスは以下の通りです。
- JR内房線五井駅より小湊鐵道バス「中央武道館」行きに乗車し、「埋蔵文化財センター」バス停下車、徒歩2分
- JR内房線八幡宿駅より小湊鐵道バス「山倉こどもの国」行きに乗車し、「山田橋東」バス停下車、徒歩10分
周辺施設
博物館の近くには、市原市中央武道館(ゼットエー武道館)、市原市立市原中学校、千葉こどもの国キッズダムといった施設があり、観光や学びの機会が充実しています。また、博物館は、銀象嵌が刻まれた「王賜」銘鉄剣が発掘された古墳のある稲荷台1号墳にも近く、歴史的な価値が高いエリアです。
まとめ
市原歴史博物館は、千葉県市原市において市民の歴史的な意識の高揚や文化財の保存を目的とした重要な施設です。養老川と東京湾の歴史や文化に触れることができるこの博物館は、市民や観光客にとっても市原の豊かな歴史と文化に触れる貴重な機会を提供しています。訪れる人々が市原の歴史的背景や文化的価値を理解し、未来に繋ぐ役割を果たすこの施設に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。