概要
常設展示のテーマは「房総(総国)の自然と人間」で、自然史を中心に様々な展示を行っています。博物館の設立の経緯から、自然史に関する展示の比重が大きく、チバニアン、ナウマンゾウやクジラの骨格標本、清澄山の照葉樹林や東京湾の干潟のジオラマなど、様々な展示物が見どころです。
展示の特色
博物館では、千葉県の生態系や農村の伝統的な生活に関する展示や、県産昆虫の標本が収められた「分類展示室」も設けられています。純人文分野の展示として、千葉県の歴史が解説されており、重要文化財の複製も展示されています。また、代表的な収蔵資料をまとめた「中央博資料百選」も展示の一部となっています。
館内施設
千葉県立中央博物館は、地下1階と地上2階建ての施設で、多くの展示エリアや学習施設が整備されています。
1階の施設
- 講堂
- 研修室
- 学習情報センターと閲覧コーナー
2階の施設
- 受付
- 房総の地学展示室と生物展示室
- 海洋展示室と生物の分類展示室
- 房総の歴史展示室と自然と人間のかかわり展示室
- 企画展示室、ミュージアムショップ、体験学習室
生態園について
生態園は、生物の自然の暮らしぶりを展示する屋外展示エリアで、1987年から1989年にかけて整備されました。約6.6ヘクタールの広さを持ち、千葉県の代表的な自然環境を再現しています。
生態園のエリア
生態園には以下のエリアがあります。
植物群落園
「南総の自然」と「北総の自然」に分かれ、海岸植生や照葉樹林、山地の森林などが再現されています。
生態実験園と植物分類園
生態実験園では、生物の生態や自然の仕組みを調査するための実験が公開されています。また、植物分類園では千葉県の代表的なブナ科やクスノキ科の植物が展示されています。
舟田池
舟田池は江戸時代以前から存在するため池を整備したもので、野鳥の生息地としても重要な場所です。野鳥観察舎が設けられており、コガモやマガモなどの越冬地点としても利用されています。
歴史
千葉県立中央博物館は1989年に開館し、日本の植物生態学をリードしてきた学者たちが設立に尽力しました。千葉大学理学部の名誉教授・沼田眞が初代館長を務め、学問の観点からの展示・教育活動を充実させました。
調査研究活動
1992年には「房総の生物相の起源」を調査するために北マリアナ諸島への調査を行い、新種の動植物を発見するなどの成果を挙げています。さらに、1993年にはカール・フォン・リンネの直筆資料を購入し、「リンネと博物学」展を開催しました。
分館について
1999年には千葉県勝浦市に「海の博物館」が開館し、さらに山の分館や分館の再編も行われました。
入館案内
入館料: 常設展300円(高校・大学生150円)、企画展500円(高校・大学生250円)
開館時間: 9時 - 16時30分(最終入館16時)
休館日: 月曜(祝日の場合は次の平日)、年末年始
アクセス: 電車・バス・車を利用可能
アクセス情報
電車: 京成千葉寺駅から徒歩約20分
バス: JR千葉駅、京成千葉駅、蘇我駅からバスが運行
駐車場: 青葉の森公園北口駐車場(普通車127台、大型車8台)
バリアフリー対応
千葉県立中央博物館は、バリアフリーに対応しており、各フロアには車椅子対応トイレが設置されています。館内は段差や傾斜が少なく、車椅子利用者にも配慮されています。
千葉県立中央博物館は、自然の多様性や歴史に興味を持つ方にとって、魅力ある観光スポットです。房総半島の豊かな生態系や歴史について学びたい方におすすめです。