祭神
葛飾八幡宮の主な祭神は、以下の三柱です。
- 誉田別命(ほむだわけのみこと):応神天皇として知られ、武勇の神としても崇められています。
- 息長帯姫命(おきながたらしひめのみこと):神功皇后とされ、夫の応神天皇を補佐した強い女性として崇拝されています。
- 玉依比売命(たまよりひめのみこと):日本神話に登場する女性神で、清らかな水を象徴する存在です。
歴史
葛飾八幡宮は、平安時代の寛平年間(889年 - 898年)に、宇多天皇の勅命により創建されたと伝えられています。石清水八幡宮を勧請して設立され、関東の武士階層や地方の守護大名など、多くの人々に崇敬されました。
特に、平将門や源頼朝、太田道灌、徳川家康といった歴史的な人物がこの神社に参拝し、武運を祈願したとされています。また、近現代においても永井荷風や幸田露伴といった文化人たちにも親しまれてきた神社です。
境内の特徴
厳島社
厳島社は、湍津姫命(たぎつひめのみこと)・田霧姫命(たきりびめのみこと)・市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)を祀る小さな社で、神聖な場所です。
千本公孫樹
葛飾八幡宮の境内には、樹齢1200年とされる千本イチョウが存在します。高さ22メートル、根回り10.2メートル、目通り10.8メートルという巨木で、国の天然記念物に指定されています。
鐘楼
この鐘楼はかつて廃仏毀釈以前に天台宗の寺院であった八幡山法漸寺が管理していたものです。
随神門
神仏分離以前は法漸寺の仁王門として存在していた建物で、現在は市川市指定の有形文化財に指定されています。重厚感のある随神門は、葛飾八幡宮の歴史と伝統を感じさせる建物の一つです。
文化財
葛飾八幡宮には数多くの貴重な文化財が存在しています。その中でも特に有名なものは、1321年に鋳造された梵鐘です。この梵鐘は、寛政5年(1793年)に発生した大風で倒れたケヤキの根元から発見されました。現在では千葉県の有形文化財に指定されています。
行事
葛飾八幡宮では年間を通じて多くの神事や祭事が行われます。中でも9月15日に開催される例祭は、神社の最大の祭事であり、農具市や日曜大工用品の販売が行われ、周囲は賑わいを見せます。以下は、主な行事の一覧です。
主な年間行事
- 1月1日:歳旦祭
- 2月3日:節分祭
- 2月11日:紀元節祭
- 6月30日:夏越大祓
- 9月15日:例大祭
- 12月31日:年越大祓
アクセス
葛飾八幡宮へのアクセスは非常に便利です。最寄駅は京成電鉄の京成八幡駅、もしくは総武本線・都営地下鉄新宿線の本八幡駅で、いずれも徒歩圏内です。市内外から多くの参拝者が訪れるため、電車でのアクセスが推奨されます。
その他の見どころ
八幡の藪知らず
葛飾八幡宮のすぐ近くには、「八幡の藪知らず」と呼ばれる神秘的な森があります。この場所は古来より立ち入りが禁じられており、今もなおその神秘性を保っています。
まとめ
葛飾八幡宮は千葉県市川市に位置する歴史深い神社で、多くの文化財や自然の宝物に恵まれています。特に、樹齢1200年を誇る千本イチョウや歴史的な建造物の数々は、訪れる人々に深い感動を与えます。また、年間を通じて多彩な行事が開催されるため、四季折々の姿を楽しむことができるのも魅力の一つです。ぜひ、歴史や文化に触れるひとときをお過ごしください。