施設概要と設立の経緯
幕張メッセは、1980年代前半に千葉県の幕張新都心開発計画の一環として設計され、1989年10月に「千葉県日本コンベンションセンター国際展示場」としてオープンしました。当時は、東京国際見本市会場の老朽化により大型イベントの移転が相次いでいたことやバブル景気の影響もあり、オープン後1年2か月で来場者数1000万人を達成するなど、順調なスタートを切りました。
設計と建築
この施設の設計を手掛けたのは、建築家の槇文彦氏です。彼は高松宮殿下記念世界文化賞やプリツカー賞を受賞している名高い建築家であり、建物の設計に当たっては、日本を代表するスーパーゼネコン5社をはじめとする大手建設会社が施工に参加しました。建物は地下1階、地上3階の構造で、敷地面積は約21万7千平方メートルに及び、総延床面積は約16万5千平方メートルという大規模な施設です。
施設の構成
幕張メッセは主に以下の4つの建物から構成されています:
- 国際展示場1-8ホール
- 国際展示場9-11ホール(北ホール)
- 国際会議場
- 幕張イベントホール
国際展示場1-8ホール
国際展示場1-8ホールは全長516メートルの巨大な展示スペースで、各ホールは6,750平方メートルの無柱空間に分かれており、可動間仕切りで区切ることが可能です。展示ホールの高さは15~30メートルと広く取られており、様々な展示物を配置できるよう設計されています。
国際展示場9-11ホール(北ホール)
1997年に増設された9-11ホールは、可動間仕切りにより大型重量物の展示にも対応しており、3つのホールの総面積は18,000平方メートルに及びます。特に9ホールは9,000平方メートルと大規模で、さらに10ホールと11ホールはそれぞれ4,500平方メートルです。
幕張イベントホール
幕張イベントホールは、アリーナ面積3,098平方メートルを持ち、固定客席3,948席、可動客席912席、仮設席で約3000席を追加できる大規模なイベントスペースです。スポーツ競技の際には、バスケットボールやバレーボールのコート3面を設置することができ、多目的な使用が可能です。
主要イベントの開催実績
幕張メッセでは年間903件のイベントが開催され、来場者数は約699万人に上ります(2019年度)。特に東京モーターショーや東京ゲームショウ、CEATEC、SUMMER SONICなど、国内外から多くの来場者を集めるイベントが開催されてきました。
代表的なイベント一覧
- 東京オートサロン:約33万人(3日間)
- CEATEC:約16万人(4日間)
- 東京ゲームショウ:約30万人(3日間)
- SUMMER SONIC:約16万人(3日間)
- COUNTDOWN JAPAN:約19万人(2日間)
音楽番組・ライブイベント
幕張メッセは音楽イベントの会場としても利用されており、ミュージックステーションSUPER LIVEやTHE MUSIC DAYといった音楽特別番組の放送も行われています。さらに、GLAY、サカナクション、乃木坂46など、多くのアーティストのライブ会場としても親しまれています。
スポーツ大会
幕張メッセはスポーツの国際大会にも対応できる施設であり、過去にはフィギュアスケート世界選手権、世界柔道選手権大会、世界卓球選手権などが開催されています。また、2020年の東京オリンピックでは、フェンシング、レスリング、テコンドー、さらにパラリンピックではゴールボールや車いすフェンシングなど、複数の競技が幕張メッセで行われました。
まとめ
幕張メッセは、国内外の大規模イベントや展示会、音楽・スポーツの会場として幅広く利用されており、施設の充実した設備と多様な機能で訪れる人々を魅了しています。2024年のX Gamesも新たなイベントの一つとして幕張メッセで開催が予定されており、今後も様々な分野での活動が期待されています。