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大山千枚田

(おおやま せんまいだ)

大山千枚田は、千葉県鴨川市大山に位置する日本の棚田百選に選定された美しい棚田です。実際には375枚の田が3.2ヘクタールに広がるこの場所は、日本で唯一ともいわれる天水田(雨水だけで耕作を行う田)として知られ、房総半島の自然と人々の営みを体感できる観光スポットとなっています。

大山千枚田の概要

房総丘陵に広がる棚田

大山千枚田は、房総丘陵の千葉県最高峰である愛宕山(南房総市)の南東麓、標高90~150mの斜面に広がっています。この地域は東西600mにわたり、形や広さが異なる田が連なり、日本の原風景を思わせる美しい景観を形成しています。

天水田としての特徴

日本で唯一といわれる天水田は、雨水のみを利用して耕作が行われています。蛇紋岩質の山が地滑りを起こして形成した粘土質の斜面が水を逃しにくく、この特異な地形が天水田を可能にしています。

歴史と保存活動

過疎化と高齢化による危機

大山千枚田は、過疎化と高齢化の進行により存続が危ぶまれていました。しかし、1997年(平成9年)に有志が「大山千枚田保存会」を発足させ、棚田の保存活動が本格的に始まりました。この活動は現在NPO法人として引き継がれ、地域住民と都市住民をつなぐ重要な役割を果たしています。

棚田オーナー制度の導入

2000年(平成12年)には、棚田オーナー制度が導入されました。この制度では、1区画100平方メートル当たり年間3万円で棚田を借りることができ、首都圏からの参加者が増えています。また、2004年(平成16年)には、酒米を栽培して日本酒を醸造する「酒づくりオーナー制度」も始まり、さらに多くの人々が参加するようになりました。

観光と体験プログラム

自然体験と文化体験

大山千枚田は観光地としても人気が高く、自然と触れ合えるさまざまな体験プログラムが用意されています。カエルなどの里山の生物観察、藍染め体験、藁細工づくりなど、農村文化を楽しむことができます。

棚田のライトアップ

秋から冬にかけて、大山千枚田の畔はLEDでライトアップされ、幻想的な夜景を楽しむことができます。「棚田の夜祭」の日には火も灯され、特別な雰囲気が漂います。これらのイベントは訪れる人々に感動を与えています。

大山千枚田の文化的価値

日本の棚田百選と文化財指定

大山千枚田は1999年(平成11年)に農林水産省の「日本の棚田百選」に選定され、2002年には千葉県庁により文化財と名勝に指定されました。また、2022年(令和4年)には「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」にも認定され、地域の誇りとなっています。

アクセス情報

所在地

千葉県鴨川市大山

アクセス方法

まとめ

大山千枚田は、自然の美しさと人々の営みが融合した千葉県を代表する観光地です。棚田オーナー制度やライトアップイベントを通じて、多くの人々がこの地の魅力を体感しています。訪れるたびに新たな発見がある大山千枚田で、自然の中に息づく文化と風景をぜひお楽しみください。

Information

名称
大山千枚田
(おおやま せんまいだ)

鴨川・勝浦

千葉県