長福寺は、千葉県勝浦市に位置する歴史ある日蓮宗の寺院です。山号は光榮山と称し、旧本山は池上本門寺、旧寺格は紫金襴寺跡・中本寺に位置づけられます。現在も地域の信仰を集める重要な仏教寺院として多くの参拝者を迎えています。
長福寺は、創建から700年近い歴史を持つ由緒ある寺院です。境内は美しく整備され、荘厳な本堂や祖師堂、七面堂などが訪れる人々を魅了します。また、背後に広がる自然豊かな山々と320段の石段「神力坂(じんりきざか)」は、訪れる人々に心の安らぎを与えるスポットとなっています。
長福寺の創建は、延元2年(1337年)4月28日とされています。池上本門寺3世・大經阿闍梨日輪の弟子である随是院日契が開山し、当時は修験僧として活動していた日契が日蓮宗に帰依し、この寺を開いたと伝えられています。
長福寺の境内には「七面堂」と呼ばれる堂宇があり、ここには日蓮大聖人の高弟である日朗が制作したとされる七面大明神像が安置されています。この像は、山梨県身延山に祀られる七面大明神像と同じ木材から彫られた「一木二体」の像と伝えられています。
長福寺の境内には、本堂、祖師堂、七面堂、鐘楼、庫裡など、様々な建物が点在しています。それぞれが異なる歴史を持ち、再建や改築を繰り返しながら今日に至っています。
本堂は享保5年(1720年)や弘化3年(1846年)に再建された記録がありますが、現在の建物は昭和42年(1967年)に再建されたものです。本尊は一塔両尊四士形式で安置されています。
祖師堂は、享保5年(1720年)や慶應3年(1868年)の再建を経て現在に至っています。堂内には日蓮聖人をはじめとした歴代の祖師が祀られています。
七面堂は、七面大明神像を安置する重要な建物です。毎年4月19日には七面山大祭が行われ、多くの参拝者で賑わいます。
鐘楼は宝永3年(1706年)に建立され、昭和28年(1953年)に再建されました。年末には「除夜の鐘」として108つの鐘が撞かれ、新年を迎える風景が広がります。
庫裡は弘化3年(1846年)に建てられ、昭和45年(1970年)に改築されました。現在は住職や僧侶の日常の場として利用されています。
長福寺では、多彩な行事が一年を通して行われます。これらの行事は地域の人々の生活に密接に関わり、伝統を今に伝えています。
毎月19日には七面山例祭が行われ、地域住民や参拝者が集まります。
長福寺へのアクセスは以下の通りです。
長福寺は、歴史と文化が息づく勝浦市の象徴的な寺院です。その由緒ある建物や行事は地域住民の信仰心を深め、訪れる人々に安らぎを提供しています。七面大明神像や七面山への参詣は特に人気があり、心の平穏を求める人々にとって特別な体験となるでしょう。