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旧水田家住宅

(きゅう みずたけ じゅうたく)

旧水田家住宅は、千葉県鴨川市に位置する歴史的建造物です。この住宅は、江戸時代後期の建築様式を特徴とし、日本の酪農発祥の地として知られる嶺岡山麓の文化的背景を色濃く反映しています。さらに、政治家であり城西大学の創立者である水田三喜男の生家としても有名で、現在は一般公開されています。

概要

水田家は17世紀初頭に四国の讃岐から安房の嶺岡山麓へ移住しました。この地は日本の酪農の発祥地として知られており、水田家も明治中期にイギリスからホルスタイン種を輸入して飼育した記録があります。旧水田家住宅は、関東大震災の際にほとんど損傷を受けなかった希少な建造物であり、2002年に国の登録有形文化財に指定されました。

主屋と長屋門の特徴

主屋

主屋は江戸時代後期に建築された寄棟造の茅葺農家で、房総民家の特徴を持つ建物です。

長屋門

長屋門は主屋の南東に位置し、道から高台に建てられています。この門は江戸時代から明治初期にかけて建てられたもので、牛小屋を兼ねたユニークな構造を持っています。

歴史と文化的背景

水田家の成り立ちと地域への貢献

水田家は400年以上前、四国の讃岐から現在の鴨川市曽呂村に移り住みました。この地で、庄屋として地域社会を指導し、初代戸長や村長を務めるなど、村の発展に大きく寄与しました。特に、明治中期には英国からホルスタイン種牡牛を飼育し、日本の酪農の基礎を築いた功績が知られています。

水田三喜男とその影響

水田三喜男はこの家で生まれ、安房中学までを地元で過ごしました。その後、京都大学法学部を卒業し、通産大臣や大蔵大臣を歴任。戦後の日本経済再建に大きく貢献しました。彼はまた、城西大学を創立し、「学問を通じての人間形成」という理念を掲げました。その原点が、この旧水田家住宅にあるといえます。

文化財としての価値

旧水田家住宅は、嶺岡牧場と酪農の歴史を伝える貴重な建造物です。主屋と長屋門のどちらも、房総地方の民家の典型的な構造を示しており、地域の歴史や文化を後世に伝える重要な役割を果たしています。

アクセス情報

見学案内

現在、旧水田家住宅は城西大学の附属施設として一般公開されています。歴史や文化に触れながら、静かな自然の中でゆっくりとした時間を過ごせます。訪問の際は、ぜひその建築の美しさと歴史的背景に思いを馳せてください。

Information

名称
旧水田家住宅
(きゅう みずたけ じゅうたく)

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