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阿舎羅山 大聖寺(波切不動)

(あしゃらさん だいしょうじ)

千葉県いすみ市に位置する「大聖寺」は、阿舎羅山を山号とする天台宗の寺院です。 本尊である不動明王は「波切不動」として知られ、古くから多くの漁業関係者や地域住民の信仰を集めています。

概要

大聖寺は、千葉県いすみ市大原の高台にあり、太平洋を望む絶好のロケーションを誇ります。 また、関東三十六不動霊場の第三十五番札所としても有名です。 本堂である「不動堂」は、室町時代後期の建築様式を残し、国の重要文化財に指定されています。

歴史

大聖寺の起源は、宝治2年(1248年)に遡ります。伝説によると、地元の漁師の妻が海藻を採取中に、 海中から不動明王像を発見し、その後この像を安置したことが寺院の始まりとされています。 この像が現在の「波切不動」と呼ばれる本尊です。

本堂の「不動堂」は、もともと清水寺(いすみ市岬町鴨根)から移築されたと伝えられており、 建物全体に禅宗様の影響を受けた和様折衷の建築様式が見られます。

不動堂の建築様式

建築の特徴

不動堂は、桁行三間、梁間三間、一重の寄棟造で、屋根は茅葺きになっています。 正面は桟唐戸(さんからど)を用い、側面や両脇は舞良戸(まいらど)や板壁で構成されています。 軒の二重繁垂木(しげふたるき)は力強く、禅宗様式と和様の融合が見事に表現されています。

文化財としての価値

この不動堂は、室町時代後期(1467年~1572年)の建立と推定され、その独特な建築様式から 高い歴史的価値が認められています。1916年(大正5年)には国の重要文化財に指定されました。

文化財

不動堂

不動堂は、大聖寺の中心的な建造物であり、歴史的建築物として貴重な存在です。 特に、軒の二重繁垂木や組物に施された拳鼻(こぶしばな)など、室町時代特有の造形美が随所に見られます。

所在地・アクセス

所在地

千葉県いすみ市大原10676

アクセス方法

電車でのアクセス

JR外房線およびいすみ鉄道「大原駅」から徒歩約15分の距離にあります。

車でのアクセス

大原港近くにあるため、車で訪れる場合も便利です。駐車場の利用も可能です。

「波切不動」の信仰

大聖寺の本尊である不動明王は「波切不動」として、特に漁業関係者に厚い信仰を受けています。 この名称は、海上での安全を祈願する人々の思いから名付けられたとされています。 また、不動明王は、困難を断ち切る力を持つ仏として広く信仰されています。

まとめ

大聖寺は、歴史的価値の高い不動堂をはじめ、信仰の対象として地域の人々に愛され続けてきました。 古くから「波切不動」として漁業者をはじめ多くの人々の安全と繁栄を見守ってきたこの寺院は、 いすみ市を訪れる観光客にもぜひ足を運んでほしい名所の一つです。

Information

名称
阿舎羅山 大聖寺(波切不動)
(あしゃらさん だいしょうじ)

鴨川・勝浦

千葉県