路線の基本情報
いすみ線は、全長26.8kmの単線非電化路線で、最高速度は65km/hです。沿線には14駅があり、車両基地は大多喜駅に設置されています。すべての列車がワンマン運転で、主に普通列車として運行されています。
主な路線データ
- 路線距離: 26.8km
- 軌間: 1067mm
- 駅数: 14駅
- 複線区間: なし(全線単線)
- 電化区間: なし(全線非電化)
- 最高速度: 65km/h
沿線の特徴と見どころ
自然豊かな車窓風景
いすみ線は、田園地帯や山間部を走ることで知られています。特に夷隅川沿いの景色は美しく、春には桜、秋には紅葉が楽しめます。沿線には新田野桜並木など、写真撮影の名所も多く点在しています。
観光スポットと駅
- 大原駅: 外房線との接続駅で、いすみ線の起点。
- 国吉駅: 旧夷隅町の中心地に位置し、地域イベントの会場としても活用されています。
- 大多喜駅: 大多喜城へのアクセス拠点で、観光客が多く訪れる駅。
- 上総中野駅: 小湊鉄道線との接続駅で、房総半島横断旅行の玄関口。
歴史と発展
木原線としての始まり
1922年に鉄道敷設法に基づき計画された木原線は、1930年に開業しました。当初は久留里線と結び、大原駅から木更津駅までをつなぐ構想でしたが、上総中野駅から先の区間は建設されず、現在の形となりました。
いすみ鉄道への転換
1987年の国鉄分割民営化後、木原線はJR東日本に引き継がれました。しかし、赤字路線のため1988年に廃止され、その後、いすみ鉄道として再スタートを切りました。この転換は地域住民の強い要望によるもので、地域鉄道として存続する道が選ばれました。
観光列車の運行と終了
観光急行列車
2011年から、観光急行列車が土休日を中心に運行されていました。西日本旅客鉄道(JR西日本)から譲渡されたキハ52やキハ28が使用され、ノスタルジックな旅が楽しめる列車として人気を博しました。しかし、観光急行列車は2024年3月に運行を終了しました。
レストラン列車
観光急行列車の一部車両を使用した「レストラン・キハ」では、地元食材を使った料理が提供されました。特に日本酒と房総産料理をテーマにした「日本酒BAR列車」は人気でしたが、2022年に運行を終了しています。
現在の課題と展望
いすみ鉄道は、長年にわたり赤字経営に悩まされてきました。近年では駅のネーミングライツ売却や新駅開設など、収益改善策を積極的に講じています。さらに、地域住民や観光客に親しまれる路線としての魅力を高める努力も続けられています。
まとめ
いすみ鉄道いすみ線は、地域交通の要でありながら観光資源としても重要な役割を果たしています。地域住民や観光客に愛されるこの路線が、持続可能な形で存続していくことを願っています。自然豊かな風景とともに、訪れる人々に癒しと楽しさを提供し続けることでしょう。