概要
妙法生寺は「あじさい寺」として知られ、境内には約2万株、20万本ものアジサイが植えられています。このアジサイは昭和26年(1951年)から法華経の文字数にちなんで植樹が始められたもので、日本最古級のアジサイ園の一つとされています。
また、日の出の名勝地としても知られ、日蓮聖人が朝日に向かって「南無妙法蓮華経」とお題目を唱えた歴史が寺名の由来となっています。
持仏堂の見どころ
自由に拝観可能
妙法生寺の持仏堂は、履物を脱げば自由に上がることができます。堂内には以下のような見どころがあります。
- 日蓮聖人像
- 鬼子母神像(めがねをかけたユニークな姿)
- 三面大黒天像
- 自由にハイタッチできる釈迦像
さらに、石川響画伯の特選作品「おぼろ月」や、書道家平山観月先生の「豊恩感謝」の書も展示されています。
希望の木
持仏堂内には、願い事を吊るす「希望の木」も設置されており、小さいながらも参拝者に人気のスポットです。
麻綿原高原とあじさい
麻綿原の歴史
麻綿原高原の地名は、古くは「天原(あめはら)」と呼ばれていました。鎌倉時代には日蓮聖人とも縁がありましたが、山深い地であったため、寺院は興亡を繰り返しました。明治時代には一度廃絶しましたが、昭和24年(1949年)に復興が始まりました。
アジサイの魅力
妙法生寺の境内を彩るアジサイは、毎年梅雨の時期に満開を迎えます。この美しい風景は訪れる人々に癒しと感動を与え、日本の伝統と自然美を感じさせます。
麻綿原の音風景
ヒメハルゼミの合唱
妙法生寺が所在する麻綿原高原は、「ヒメハルゼミ」が生息することで有名です。その独特な鳴き声は、環境省の「日本の残したい音風景百選」にも選ばれています。アジサイが咲き誇る季節に響く蝉の声は、高原を訪れる人々にとって特別な体験となるでしょう。
妙法生寺の沿革
寺院の復興
妙法生寺は、本成院日受上人(1900年~1984年)によって復興されました。昭和6年に復興を誓願し、昭和24年から再建が始まりました。現在では、あじさい寺として広く知られています。
奉安殿と朝日日蓮大菩薩
奉安殿には「朝日日蓮大菩薩」の立像が安置されています。伝説では、日蓮聖人が昇る朝日に向かい、「南無妙法蓮華経」と唱えられたことが語り継がれています。
仏教体験と書道館
仏教体験合宿
妙法生寺では、仏教体験合宿なども行われています。日常生活から離れ、心静かに仏教の教えを学ぶ機会を提供しています。
麻綿原書道館
当地には、書道家平山観月先生と翠月先生を記念する「麻綿原書道館」もあります。書道を通じた文化的な学びを提供する場となっています。
アクセス情報
所在地
千葉県夷隅郡大多喜町筒森1749(麻綿原高原)
おわりに
妙法生寺は、日蓮宗の深い歴史と自然の美しさを融合させた特別な場所です。アジサイの花や高原の風景、ヒメハルゼミの音風景を楽しみながら、心を癒すひとときをお過ごしください。