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屋形四社神社

(やかたししゃ じんじゃ)

屋形四社神社は、千葉県山武郡横芝光町屋形(旧上総国武射郡)に位置する歴史ある神社です。立身出世や学業成就などのご利益を持つ神社として、地域住民や観光客から親しまれています。古来より伝わる行事や、貴重な文化財としての里神楽なども見どころのひとつです。

ご祭神とご利益

屋形四社神社には以下の四柱の神々が祀られています。

これらの神々は、厄除け、学問の向上、農業の発展、豊漁など、多方面でのご利益があるとされています。

神社の歴史

創建の由来

屋形四社神社は902年(延喜2年)に建立されたと伝えられています。その起源は寛平元年(889年)、臣籍降下して上総介に任じられた高望王が昌泰元年(898年)に上総国武射郡屋形を造営したことに始まります。その屋形の鬼門に当たる場所に神社を建立したのが当社の起こりです。

延喜2年(902年)には寺院も建立され、地域の宗教的中心地として発展しました。天慶2年(939年)、承平天慶の乱では朝廷軍が戦勝祈願を行った記録もあり、当時から「四社大明神」と称されていました。

戦乱と復興

天正年間(1573年~1592年)の戦乱では、栗山川合戦や蓮沼合戦の兵火により、近くの無量寺とともに焼失しました。その後、元禄元年(1688年)に再建され、宝暦3年(1753年)に改修が行われました。これらの再建費用は村の人々だけでなく、九十九里浦中や江戸の干鰯問屋、造船家など多くの人々の寄付によって賄われたといわれています。

明治時代以降

享保4年(1719年)、神祇官卜部兼敬の奉幣が行われ、明治2年(1869年)には「四社神社」と改号。明治6年(1873年)に郷社に列しました。今日まで、地域の人々に愛される神社としての役割を果たしています。

境内の見どころ

屋形四社神社の境内には、歴史的価値のある社殿や合祀された神社が点在しています。

本殿

現存する本殿は元禄元年(1688年)に造営され、宝暦3年(1753年)に改修されたものです。その美しい建築は、当時の技術と信仰の結晶といえるでしょう。

合祀神社と七福神

境内には子易神社、三峯神社、浅間神社が合祀されています。また、九十九里沿岸の「浜の七福神」のひとつ、布袋尊も祀られています。巡拝することでさらなるご利益が期待できるとされています。

行事と伝統

屋形四社神社では、地域の伝統を受け継ぐ重要な行事が毎年行われています。

1月の祭礼と潮祭り

毎年1月の第3日曜日には、「潮祭り」と呼ばれる祭礼が開催されます。この祭礼では、郷中安全と豊漁を祈願する湯立神楽が奉納されます。大釜に沖合いから運んだ海水を沸かして行われるこの神事は、横芝光町の無形民俗文化財に指定されています。

神楽の奉納とともに、地域の伝統文化を体感できる貴重な機会です。

交通アクセス

屋形四社神社へのアクセスは以下の通りです。

まとめ

屋形四社神社は、長い歴史と豊かな伝統を持つ横芝光町の名所です。荘厳な社殿、由緒あるご祭神、地域の誇りである行事が訪れる人々を魅了します。歴史探訪や信仰の場として、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

Information

名称
屋形四社神社
(やかたししゃ じんじゃ)

九十九里・茂原

千葉県