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芝山古墳・はにわ博物館

(しばやま こふん はくぶつかん)

芝山古墳・はにわ博物館は、千葉県山武郡芝山町に位置し、古墳や埴輪に関する豊かな文化財を展示する施設です。この博物館は、5世紀から8世紀頃にかけて造営された芝山町周辺の古墳群や、その出土品を「わかりやすく、かつ楽しく、現代からみた古墳時代を」というコンセプトで紹介しています。1988年(昭和63年)5月1日に開設され、芝山公園内に位置しています。

千葉県は全国的にも古墳の数が多く、前方後円墳の数では全国最多の677基が確認されています。この地域に集中する古墳群から発掘された埴輪やその他の遺物は、古代の暮らしや文化を知る貴重な手がかりを提供しています。

展示室の構成と特徴

第1展示室

第1展示室では、千葉県内および関東地方の古墳文化を写真や解説パネルでわかりやすく紹介しています。特に、地元の小学生や観光客が「バーチャルミュージアム」として楽しめるよう工夫されています。

主な展示内容:

第2展示室

第2展示室では、古墳時代の生活や技術を実験考古学の成果を基に紹介しています。古代人の生活様式や技術を現代の視点から解説し、来館者がその時代に触れる機会を提供します。

主な展示内容:

第3展示室

第3展示室では、考古学の調査手法や研究の過程を紹介しています。また、床面には芝山町の古墳分布図が設置され、まるで巨人になったような視点で古墳群を俯瞰することができます。

主な展示内容:

主要な展示品

古墳時代の集落

房総半島は古墳時代に11の国に分かれ、その一つが芝山町周辺の「武射(むさ)の国」でした。現在でも町内には279基の古墳が残り、中には全長70メートルを超えるものもあります。古代の集落は川沿いの台地に形成され、稲作や祭りなどが行われていました。有力者の墓である古墳には埴輪が立てられ、古代人の埋葬文化が垣間見えます。

山田・宝馬188号墳の埴輪

この円墳からは様々な埴輪が出土しています。特徴的な埴輪には次のようなものがあります。

朝日ノ岡古墳の埴輪

芝山町最大級の古墳である朝日ノ岡古墳では、武人や女子の形象埴輪が出土しています。

山田・宝馬35号墳の埴輪

この古墳では、下総型埴輪と呼ばれる簡素な埴輪が見つかっています。特徴として、短い腕や単純な鼻の形などが挙げられ、地域間の文化的影響が見られます。

観光資源としての役割

毎年11月に開催される「芝山はにわ祭」では、古墳時代を再現するイベントが行われ、地域文化の発信に貢献しています。また、外務省が推進する「成田国際観光モデル地区」の一環として観光促進活動も行っています。

Information

名称
芝山古墳・はにわ博物館
(しばやま こふん はくぶつかん)

九十九里・茂原

千葉県