施設の概要と特徴
目的と設計
いわしの交流センターは、九十九里町が制定した条例に基づき、地元産業と観光を融合させた交流拠点として設立されました。片貝漁港の後背地、敷地面積6,359.71平方メートルを利用して建設され、建物は鉄骨2階建て、延床面積1,057.08平方メートルです。建設費用は約3億4,200万円を要しました。
館内の構成
1階には、九十九里のイワシ漁に関連する展示物を集めたいわし資料館や、地元の農水産物を販売する直売コーナーがあります。2階には地元産の食材を活用した料理が楽しめるフードコートがあり、天気が良い日にはテラス席から海を眺めることができます。
津波避難タワー
敷地内には、高さ17メートルの津波避難タワーが設置されています。このタワーは約154平方メートルの避難スペースを有し、約150人の避難が可能です。地域住民や観光客にとって安心を提供する重要な施設です。
主な見どころ
いわし資料館
いわし資料館では、九十九里町のイワシ漁の歴史や文化を学ぶことができます。かつて町がイワシ漁で栄えた時代の漁具や漁船の模型、加工器具、生活用具などが展示されています。また、施設の入口には約3,000匹のマイワシが回遊する水槽が設置され、訪れる人々を迎えてくれます。
直売コーナー
地元の片貝漁港で水揚げされた新鮮なイワシや魚介類、地域の農産物が購入できる直売コーナーは、観光客にとって大人気のエリアです。地産地消の魅力が詰まった商品が並び、訪れる人々を楽しませています。
フードコート
2階のフードコートでは、イワシやハマグリ、ながらみなど九十九里ならではの食材を使った料理が味わえます。天候が良ければ、テラス席で海の景色を楽しみながら新鮮な料理を堪能できます。
青い丸型ポスト
2016年には国内唯一の青い丸型ポストが設置され、記念撮影スポットとしても注目を集めています。
開業までの道のり
背景と整備計画
九十九里町では、観光客の減少に対応するため「第4次九十九里町総合計画」を策定し、観光交流や地産地消、体験型観光の推進を目指しました。2012年には地元経済団体や関係者による意見交換が進められ、基本設計案が策定されました。
建設の過程
片貝漁港の国有地取得や設計変更などの課題を経て、2014年4月に建設が開始されました。施設の愛称は公募で「海の駅 九十九里」に決定し、2015年4月24日に正式開業しました。
いわし資料館の新たな課題
展示室内のマイワシ水槽については、過密飼育との指摘が動物愛護団体から寄せられています。町は水槽の展示中止や代替案を検討しており、展示内容の見直しが進められています。
いわしの交流センターへのアクセス
- 所在地:千葉県山武郡九十九里町片貝
- アクセス:JR東金駅から九十九里鉄道バス片貝線「西」停留所下車、徒歩5分
まとめ
いわしの交流センターは、九十九里町の魅力を体感できる貴重な観光スポットです。歴史や文化、地元の新鮮な食材を楽しみながら、九十九里の自然と地域文化を満喫できる施設となっています。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。