館山城の歴史
築城と里見氏の時代
館山城は1580年(天正8年)に里見義頼が築城しました。その後、天正19年(1591年)には里見義康が岡本城から館山城へ移り、城下町として発展しました。当時は湊を伴う城として戦略的にも重要な拠点でした。
廃城と館山藩の変遷
1614年(慶長19年)、里見氏が改易されたことで館山藩は廃止され、館山城も破却されました。その後、1781年(天明元年)に稲葉正明が館山藩主となって館山に入りましたが、城の再建は行われず、稲葉家の2代目正武が館山陣屋を築き政庁としました。
館山城跡と現代の施設
模擬天守と発掘調査
1982年(昭和57年)、館山城跡に模擬天守が建設される際、城跡の発掘調査と里見氏に関する古文書の調査が行われました。模擬天守は館山市立博物館分館「八犬伝博物館」として利用され、南総里見八犬伝に関連する展示が行われています。
館山城周辺の観光施設
現在、城跡一帯は城山公園として整備されています。公園内にはサクラや紅葉の名所があり、鳥を観察する施設も備わっています。頂上までは70メートルと比較的低いため、気軽な散歩コースとして市民や観光客に親しまれています。
館山市立博物館
本館
館山市立博物館本館では、安房国を拠点とした戦国大名里見氏に関する資料や、館山城の遺構から出土した品々、さらに幕末の海防資料などが展示されています。
- 開館時間: 9時 - 17時
- 定休日: 月曜・年末年始
- 観覧料: 一般・高校生400円、小中学生200円
1階では館山の歴史資料を、2階では安房地方の民俗資料が展示されており、日曜・祝日には甲冑の着用体験が可能です。
分館「八犬伝博物館」
模擬天守内に設置された分館では、南総里見八犬伝に関連した展示が行われています。本館と同じ開館時間・定休日で観覧料も同じです。
分館「渚の博物館」
館山市立博物館のもう一つの分館として、「渚の博物館」があります。房総地域の漁業に関する資料が展示されており、千葉県立安房博物館から移譲された収蔵品を活用しています。
- 開館時間: 9時 - 16時45分
- 観覧料: 無料
観光アクセス
館山城と市立博物館本館へのアクセス
- 電車: JR内房線 館山駅東口からバス「城山公園前」停留所下車、徒歩5分
- 車: 富津館山道路 富浦ICから車で約20分
渚の博物館へのアクセス
- 電車: JR内房線 館山駅西口から徒歩約10分
- 車: 富津館山道路 富浦ICから車で約15分
館山城の魅力
館山城は歴史的価値だけでなく、現代では公園や博物館を通じて観光資源として活用されています。模擬天守からの景観や、安房地域の文化・歴史を学べる展示施設は、訪れる人々に豊かな体験を提供しています。桜や紅葉の季節には特に美しい景色が楽しめます。
おわりに
館山城跡は、歴史愛好家だけでなく、気軽に訪れる観光客にもおすすめのスポットです。歴史を感じながら自然を楽しめる館山城跡で、特別なひとときをお過ごしください。