神社の歴史
手力雄神社の起源は、伝承によれば神武天皇元年(紀元前660年)、忌部氏が祭祀を始めたことに遡ります。その後、天正12年(1584年)には里見義頼の寄進により社殿が改築されました。
江戸時代までは「大井大明神」と呼ばれ、里見氏や江戸幕府からも崇敬を受けていました。明治初年には現在の「手力雄神社」に改称され、今日まで信仰が受け継がれています。
主な神事
安房国司祭
9月の敬老の日の前の土曜日と日曜日に行われる祭事で、鶴谷八幡宮の祭礼に手力雄神社の神輿が参加します。
例大祭
毎年10月9日に行われる祭事で、地域の人々に親しまれています。
文化財
本殿
三間社流造で、千葉県指定有形文化財に登録されています。天正12年(1584年)の棟札があり、元禄大地震(1703年)の被害後、宝永年間に修築された建物です。安土桃山時代の建築様式を随所に残しながら、江戸中期の特徴も併せ持っています。
大杉
拝殿前にそびえるご神木は、館山市指定天然記念物であり、推定樹齢700年を誇ります。この杉の大木は地域の象徴でもあります。
境内の見どころ
両部鳥居
高さ約4mの朱塗りの鳥居で、寛政10年(1798年)に建立されました。昭和63年に一部改修が施されています。
石灯籠
安永7年(1778年)に隣村の名主が奉納したもので、地域の人々の信仰の深さを物語っています。
拝殿
明和5年(1768年)に建てられた神明造りの拝殿で、美しい装飾が施されています。内部には病気平癒や俳句に関連する額が展示されています。
船田池
社務所西隣にある池で、寛永年間に丸木舟が発掘された記録があります。池の名前は、この伝説に由来しています。
アクセス情報
館山日東バス・鴨川日東バス「館山駅~鴨川駅」路線に乗車し、「九重大井」バス停で下車すると徒歩圏内にあります。
その他
手力雄神社は、歴史的な建造物や自然が調和した神秘的な場所です。地域の伝統を感じられる祭事や文化財に触れることができ、訪れる人々に安らぎと感動を与えています。