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眺尾橋(めがね橋)

(ながおばし)

千葉県南房総市にある眺尾橋は、長尾川に架かる美しい石造アーチ橋で、「めがね橋」という愛称で親しまれています。3連のアーチ構造は全国的にも珍しく、関東地方では唯一の例です。

眺尾橋の概要

橋の名前と由来

眺尾橋の名称は、架橋時に建てられた袖柱に「ながをばし」とひらがなと漢字で記されていました。しかし、長年の風雨により一部が欠損しており、1993年の補修時に漢字表記を「眺尾橋」と推定して修復されました。

一方、「めがね橋」という名前はその形状に由来する愛称で、1989年に千葉県有形文化財に指定された際にも正式名称として採用されています。

構造の特徴

眺尾橋は、3連の石造アーチ構造を持つ橋です。この形式は非常に珍しく、歴史的価値が高い建造物とされています。本体に使用されている石材は「みずるめ石」と呼ばれ、橋の近くにあるみずるめの石切場で採掘されました。

眺尾橋の歴史

建設の背景と経緯

眺尾橋は1888年(明治21年)3月に架設されました。地元の石工が設計・施工を手がけ、総工費399円40銭は地元住民の寄付で賄われました。橋のたもとには伊豆石、橋の本体にはみずるめ石が使用されており、地域の資源が生かされた建設でした。

災害と耐久性

眺尾橋は、1917年(大正6年)の長尾川の大洪水や1923年(大正12年)の関東大震災など、数々の自然災害にも耐えました。また、第二次世界大戦中には日本軍の戦車が往来するなど、その堅牢な構造が証明されています。

保存活動と文化財指定

1978年(昭和53年)、白浜町(現・南房総市)は眺尾橋を町有形文化財に指定しました。その後、1989年(平成元年)には千葉県の有形文化財に指定され、1993年から2年間にわたる補修工事が行われました。この際、周辺の整備も進められ、地域のシンボルとして再評価されています。

さらに2005年(平成17年)、眺尾橋は「土木学会選奨土木遺産」にも認定されました。

眺尾橋の魅力

地域のシンボルとしての役割

眺尾橋は、地域住民にとって誇りであり、観光資源としても重要な存在です。その美しいアーチ構造は訪れる人々を魅了し、写真撮影や観光のスポットとして親しまれています。

町おこしへの活用

橋周辺の整備が進み、地域のイベントや観光プロモーションにも活用されています。眺尾橋を背景にした地元の祭りや文化活動は、地域の活性化に貢献しています。

眺尾橋へのアクセス

眺尾橋は、千葉県南房総市白浜町滝口に位置しています。公共交通機関や車でアクセス可能で、周辺には観光スポットも点在しています。訪れる際には、現地の情報を事前に確認することをお勧めします。

まとめ

眺尾橋(めがね橋)は、歴史的価値と美しいデザインを兼ね備えた石造アーチ橋です。地域の象徴として大切に保存されており、観光客や地元住民に愛されています。災害や長い歴史を乗り越えてきたその姿は、訪れる人々に感動を与えることでしょう。千葉県南房総市を訪れる際には、ぜひ眺尾橋の雄大な景観を楽しんでみてください。

Information

名称
眺尾橋(めがね橋)
(ながおばし)

館山・南房総

千葉県