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明鐘岬

(みょうがね みさき)

明鐘岬は、千葉県の富津市と安房郡鋸南町の境界に位置する美しい岬です。この岬は、鋸山が東京湾に向かって急激に落ち込む場所にあり、その特徴的な地形と歴史的背景から観光スポットとして知られています。

浦賀水道の眺め

明鐘岬からは浦賀水道が一望でき、頻繁に行き交う船舶を眺めることができます。晴れた日には遠くの景色まで見渡せるため、多くの観光客がその風景を楽しむために訪れます。

明鐘岬の由来

名前の由来

「明鐘岬」という名前は、古くこの付近の海中から「妙な鐘」が発見されたことに由来しています。この鐘は「妙鐘」と呼ばれ、やがて「明鐘」という現在の名前に転じたとされています。この伝説は岬の歴史的な魅力を深めています。

明鐘岬の歴史

街道の難所

明鐘岬周辺は、古くから街道の海沿いの難所として知られていました。江戸時代には徳川光圀が『甲寅紀行』(1674年)の中で、「鋸山の出崎に小さな道があり、険しい岸沿いを通る」と記しています。この記録からも、かつての道の厳しさが伺えます。

隧道(トンネル)の整備

1888年には、現在の明鐘隧道よりもさらに海側を通る道路や隧道が整備されました。その後、1952年に現在の元名第二・潮噴・明鐘の各隧道を含む道路が整備され、旧道は廃止されました。旧明鐘隧道は現在では埋もれており通行できませんが、歴史の名残としてその存在が語り継がれています。

明鐘岬付近のトンネル

元名第二・潮噴・明鐘隧道

明鐘岬付近の国道127号には、南方(下り)となる鋸南町保田側から「元名第二隧道」、「潮噴隧道」、「明鐘隧道」の三つのトンネルがあります。

トンネルの特徴

元名第二隧道は、かつては元名第一・第二と並ぶ二つの隧道でした。しかし、法面の落石を防ぐために隧道間にロックシェッドを建設した結果、現在では一つのトンネルのように見えます。

安全面での注意

これらのトンネルは1950年代に整備された当時のままで、歩道がなく車道も狭いため、徒歩や自転車での通行には注意が必要です。安全対策として、各トンネルには押しボタンが設置されており、自動車に存在を知らせることができます。

観光スポットと創作作品

鋸山登山自動車道

明鐘岬を含むエリアは鋸山観光の拠点としても有名です。国道127号の明鐘隧道を抜けた先には鋸山登山自動車道の入り口があります。ここから鋸山に向かい、雄大な景色を楽しむことができます。

文学と映画の舞台

明鐘岬は、森沢明夫の小説『虹の岬の喫茶店』の舞台としても知られています。この小説を基にした映画『ふしぎな岬の物語』は、2014年に吉永小百合のプロデュースで映画化され、明鐘岬周辺でロケーション撮影が行われました。この映画は、第38回モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリを受賞しています。

明鐘岬の位置情報

緯度・経度

明鐘岬の正確な位置は北緯35度09分17秒、東経139度49分05秒です。地図で確認することで、訪れる際のルートを計画するのに役立ちます。

アクセス方法

車で訪れる場合は、国道127号線を利用して鋸南町保田方面からアクセスできます。また、鋸山観光や周辺エリアの観光と組み合わせることで、より充実した旅が楽しめます。

まとめ

明鐘岬は、美しい自然景観と歴史、文学や映画といった文化的背景が交差する千葉県の魅力的な観光スポットです。その伝説的な由来や険しい街道の歴史を知ることで、訪れる際の感動が深まることでしょう。鋸山や周辺観光と併せて、ぜひ一度足を運んでみてください。

Information

名称
明鐘岬
(みょうがね みさき)

館山・南房総

千葉県