鋸山ロープウェーの概要
基本データ
鋸山ロープウェーは、鋸山山麓駅(標高106メートル)から鋸山山頂駅(標高329メートル)までを結ぶ索道です。
- 全長: 680メートル
- 高低差: 223メートル
- 傾斜: 約28度
- 運転時分: 約3分18秒
- 定員: 41人
営業時間
季節ごとに異なる営業時間を設定しており、元旦には早朝5時30分からの営業も行っています。以下は通常の営業時間です。
- 2月16日~11月15日: 9:00~17:00
- 11月16日~2月15日: 9:00~16:00
夏季には営業時間の延長が行われます。また、1月中旬には年次検査のため約1週間営業を休止します。
接続路線
ロープウェーのアクセスも便利です。
- 鋸山山麓駅: JR内房線 浜金谷駅から徒歩8分、東京湾フェリー金谷港から徒歩12分
- 鋸山山頂駅: 鋸山登山自動車道に接続
ロープウェーの歴史
開業と発展
鋸山ロープウェーは1962年に開通しました。以来、多くの改良やゴンドラの更新が行われています。
- 1988年: ゴンドラの新型化(製造は日本車両)
- 2012年: 現行のゴンドラ「かもめ」と「ちどり」に更新(製造はスイスのCWA社)
鋸山の魅力
鋸山とは
鋸山は、千葉県安房郡鋸南町と富津市にまたがる標高329.5メートルの山で、正式名称は「乾坤山(けんこんざん)」といいます。山の名前は、鋸の歯のように見える山肌から由来しています。
山頂からの眺望
鋸山山頂からは360度の大パノラマが楽しめます。東京湾、伊豆大島、さらには富士山までも見渡すことができ、関八州や駿豆二州を一望する絶景スポットです。
観光スポット
鋸山には、日本寺や地獄のぞき、大仏、百尺観音、千五百羅漢など、多くの観光スポットがあります。これらはハイキングコースで巡ることができ、歴史や文化を感じながらの散策が楽しめます。
鋸山の歴史
採石場としての歴史
鋸山は凝灰岩から成り、江戸時代から房州石として建築資材に利用されていました。山肌に残る石切場や搬出路の跡は、現在では産業遺産として観光資源になっています。
鋸山と名山図会
江戸時代には『日本名山図会』にて日本80名山の一つに選ばれ、現代では『日本百低山』に数えられています。鋸山の美しい景観は、多くの人々に愛されています。
日本寺と文化財
鋸山全体が日本寺の境内として使われています。日本寺には以下の文化財があります。
- 日本寺大仏: 国内最大級の石彫大仏。
- 百尺観音: 高さ30メートルを誇る観音像。
- 千五百羅漢: 約1500体の石像。
地獄のぞき
地獄のぞきは鋸山の代表的な観光スポットです。山頂の展望台にある岩盤から約100メートルの断崖を見下ろすスリル満点の景色が楽しめます。東京湾や富士山を望む絶景も堪能できます。
石切場跡
江戸時代から昭和にかけて、鋸山は建築用の石材(房州石)の産地として採石が盛んに行われていました。その跡地は現在も残り、産業遺産として注目されています。
文学と美術における鋸山
鋸山は多くの文学作品や美術作品にも登場します。
- 夏目漱石の『木屑録』
- 正岡子規の『かくれみの』
- 歌川広重の浮世絵『不二三十六景』
アクセスと交通情報
鉄道とロープウェー
JR内房線の浜金谷駅または保田駅からアクセスが可能です。山頂へは鋸山ロープウェーを利用すると便利です。
自動車
国道127号や鋸山登山自動車道を利用することで、山頂付近まで車でアクセスできます。また、東京湾フェリーを利用して金谷港からも訪れることができます。
おすすめの楽しみ方
ロープウェーでの旅
鋸山ロープウェーは、山頂までを約4分で結ぶ「動く展望台」です。窓から見える東京湾の絶景を楽しみながら、非日常の体験ができます。
ハイキングと観光
ロープウェーを利用した後は、鋸山山頂の展望台やハイキングコースを巡るのがおすすめです。地獄のぞきや日本寺の大仏など、見どころが豊富です。
学術的な価値
鋸山周辺は、地質や動植物の研究者から「天然の大博物館」として評価されています。自然や歴史に興味のある方にとっても魅力的なスポットです。
まとめ
鋸山ロープウェーは、海と山の両方を楽しめる観光スポットです。絶景を楽しむロープウェーの旅、歴史ある鋸山の観光、自然との触れ合いを通じて、思い出深い時間を過ごせるでしょう。ぜひ一度、鋸山ロープウェーを訪れてみてください。