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菱川師宣記念館

(ひしかわ もろのぶ きねんかん)

菱川師宣記念館 は、千葉県安房郡鋸南町に位置する美術館であり、「浮世絵の祖」 と称される菱川師宣の功績を称える施設です。昭和60年(1985年)3月21日に、師宣の生誕地であるこの地に開館しました。

館の概要

菱川師宣記念館では、師宣自身やその門人たちの版画、肉筆浮世絵、江戸の文化資料などを展示・収集しています。浮世絵や地域の文化財を通じて、房総の歴史や江戸時代の人々の生活様式を紹介しています。

展示内容

館内では、菱川師宣の作品 を中心に展示が行われています。師宣の生い立ちから江戸での活躍、彼の絵が当時の人々に与えた影響を作品を通じて解説しています。また、浮世絵に描かれた江戸庶民の姿や風俗も知ることができます。

特に見どころは、師宣が手がけた肉筆画や絵本類です。代表的な展示品には、吉原や歌舞伎をガイドする版本(絵本)や女性のファッション誌、江戸のタウン情報誌などが含まれます。

浮世絵師たちの歴史

菱川師宣以降の浮世絵師の作品も展示されており、江戸後期から明治期に活躍した歌川豊国、国芳、広重、月岡芳年といった著名な絵師たちの多色摺版画を多角的に紹介しています。さらに、年に数回開催される企画展や特別展では、テーマに沿った浮世絵や現代作家の作品も展示されています。

映像シアター

館内には映像シアターがあり、菱川師宣の人物像を描いた「大江戸のあけぼのを描いた男」が上映されています。映像を通じて、師宣の生涯や作品に触れることができます。

施設情報

所在地

〒299-1908 千葉県安房郡鋸南町吉浜516

開館時間

午前9時00分~午後5時00分(入館は午後4時30分まで)

休館日

月曜日(祝日または振替休日の場合は翌日休館)
年末年始(12月29日~1月3日)

入館料

交通アクセス

JR内房線「保田駅」下車、徒歩15分

菱川師宣の生涯と功績

菱川師宣(ひしかわ もろのぶ) は、江戸時代前期に活躍した画家であり、浮世絵の確立者として名高い人物です。彼の生年は元和4年(1618年)頃とも、寛永7年から8年(1630年 - 1631年)とも伝えられています。享年は64-65歳、または77歳とされています。

浮世絵の発展への貢献

師宣は、それまで単なる挿絵として使われていた浮世絵版画を、鑑賞に堪えうる独立した絵画作品にまで高めるという重要な役割を果たしました。彼の作品は、吉原の遊女や歌舞伎役者、江戸の庶民の生活などを鮮やかに描き出し、当時の人々の暮らしぶりを現代に伝えています。

代表作「見返り美人図」

師宣の代表作として知られる「見返り美人図」は、歩みの途中でふと振り向く女性を描いた作品であり、現在も世界的に有名な肉筆浮世絵です。この作品は江戸の女性の美しさとともに、師宣の画風の特徴をよく表しています。

師宣の工房と弟子たち

師宣の工房には多くの弟子がおり、彼の子である菱川師房、菱川師永、菱川師喜などが後を継ぎました。その後、菱川派として浮世絵の技法が引き継がれ、江戸庶民の美術として広く親しまれるようになりました。

菱川師宣記念館の魅力

菱川師宣記念館は、彼の功績を称えると同時に、浮世絵や江戸文化の魅力を発信する貴重な施設です。師宣の肉筆画や版本の数々、江戸時代の庶民文化を描いた浮世絵作品に触れることで、当時の人々の生活や価値観を感じることができます。

房総の歴史と文化

また、館内では房総の歴史や文化についても知ることができるため、地元の歴史探訪や文化学習にも最適な場所です。美しい浮世絵作品を通して、江戸時代の美術や人々の息吹を体感できることでしょう。

まとめ

菱川師宣記念館は、浮世絵の祖・菱川師宣の功績と浮世絵の歴史を学べる美術館です。房総の地に根付いた文化と芸術を堪能できるこの施設は、歴史好きや美術愛好者にとって必見のスポットです。企画展や映像シアターも楽しめるため、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
菱川師宣記念館
(ひしかわ もろのぶ きねんかん)

館山・南房総

千葉県