地理と名称
野島崎は、太平洋に約500メートル突出する丸い台地状の岬で、南房総国定公園に含まれる景勝地です。地図上では「野島崎」と記載されますが、海図では「野島埼」と表記されています。岬一帯は白浜野島崎公園として整備され、多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。
ラバーズ・ベンチ
岬の先端には「ラバーズ・ベンチ」というデートスポットがあり、朝日と夕日を同時に楽しめる場所としてカップルに人気です。ロマンチックな雰囲気とともに、美しい景色が広がります。
歴史的背景
野島崎はかつて房総半島から離れた島だったと伝えられていますが、1703年(元禄16年)の元禄大地震による隆起で陸続きになったとされています。現在では、太平洋に面する重要な航路に位置し、古くから海運の拠点としても知られています。
野島崎の歴史
江戸時代の海運拠点
江戸時代には、東北地方や関東地方の産物を江戸へ運ぶ海運が盛んになり、野島崎沖は重要な航路の一部として利用されました。しかし、この海域は暗礁が多く、海難事故も多発していました。
野島埼灯台の建設
1866年(慶応2年)に締結された「改税条約」に基づき、野島埼灯台が建設され、1870年1月19日に点灯しました。この灯台は、日本で2番目に点灯した洋式灯台で、東京湾に出入りする船舶にとって重要な役割を果たしています。
野島崎の観光スポット
野島埼灯台
白亜の美しい灯台で、周囲には灯台資料展示館「きらりん館」が併設されています。灯台内部を見学することもでき、展望台からは雄大な太平洋の景色を楽しむことができます。
頼朝の隠れ岩屋
源頼朝が安房国に逃れた際に雨宿りしたと伝えられる岩屋です。この場所には創造の大蛸が祀られ、海上安全や豊漁を祈願する場として地元住民に親しまれています。
厳島神社と三峯神社
岬内には、厳島神社や三峯神社をはじめとする複数の神社があります。歴史的な雰囲気の中で、自然と文化の調和を感じることができます。
野島崎遊歩道
岬を一周する遊歩道が整備されており、希少な植物や岩礁風景を観察しながら散策を楽しむことができます。途中には、芝生広場や展望スポットもあり、家族連れやカップルにおすすめです。
周辺観光スポットと施設
道の駅白浜野島崎
地元特産品やお土産を購入できる施設です。近くには白浜温泉や白浜海岸もあり、観光の合間にリラックスできる場所として人気です。
白浜海洋美術館
野島崎の自然や歴史に関する展示が充実しており、訪れる人々に新たな発見を提供します。
アクセス情報
公共交通機関
JR内房線館山駅から安房白浜行きのバスを利用し、「野島崎灯台」バス停で下車します。また、東京駅発の高速バス「房総なのはな号」を利用することもできます。
自動車でのアクセス
東京湾アクアライン・館山自動車道「富浦インターチェンジ」から一般道を経由してアクセス可能です。無料駐車場も整備されており、車での訪問に便利です。
まとめ
野島崎は、美しい自然と豊かな歴史に囲まれた観光スポットです。灯台や遊歩道、神社などの見どころが豊富で、一日中楽しむことができます。千葉県南房総市を訪れる際には、ぜひ野島崎を旅の目的地に加えてみてください。