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大倉山 妙泉寺

(みょうせんじ)

妙泉寺は、千葉県木更津市真里谷に位置する曹洞宗の寺院で、山号を大倉山といいます。鎌倉時代に創建された歴史ある寺院で、特に文化財として有名な梵鐘や、伝説に彩られたエピソードで多くの人々を魅了しています。

妙泉寺の概要

妙泉寺はJR馬来田駅から東に約2.5キロメートル、自然豊かな林道を進んだ先にあります。鎌倉時代後期に継巌永胤(けいがんえいいん)によって創建されたと伝えられ、戦国時代には上総国真里谷城主・武田信隆によって再興されました。

江戸時代には江戸幕府から朱印状が与えられ、地域の信仰の中心として長きにわたり人々に親しまれています。

妙泉寺の歴史

鎌倉時代の創建

妙泉寺は、鎌倉時代後期の正安年間(1299年~1302年)に開山者である継巌永胤によって創建されました。当時、この地域は上総国の一部であり、信仰と文化が栄えていた場所です。

戦国時代の中興

戦国時代になると、真里谷城主である武田信隆が寺を中興しました。彼は地域の平和と安寧を願い、妙泉寺をその拠点としました。この時期、妙泉寺は曹洞宗寺院としてさらに発展しました。

江戸時代の朱印寺院

江戸時代には幕府から朱印状を与えられ、寺院の地位が高まりました。地域住民にとって信仰の中心であると同時に、学問や文化の伝播にも寄与した寺院でした。

妙泉寺の文化財

千葉県指定文化財: 梵鐘

妙泉寺の梵鐘は、室町時代の長禄3年(1459年)に制作されました。この鐘は上総国佐是郡(現在の市原市)の十二所権現八幡に奉納される予定でしたが、ある伝承によって妙泉寺に残ることとなりました。

梵鐘は鎌倉時代の様式をよく守っており、その美しい形状と歴史的価値から千葉県指定文化財となっています。

梵鐘にまつわる伝説

この鐘には、刀で切りつけたような傷が残されています。その由来について、次のような伝説が伝えられています。

かつて、この鐘が十二所権現八幡にあった頃、夜な夜な牛の鳴き声のような不気味な音を立てたため、村人たちは恐れおののいていました。そこに現れた豪傑が「化け物である」と考え、鐘に刀を振り下ろしました。しかし音は止まず、偶然通りかかった継巌永胤が鐘に向かってお経を唱えると、音はぴたりと止みました。

数日後、妙泉寺の門前に牛の姿をした物体が横たわっており、それが鐘そのものであると判明しました。この出来事により、鐘は妙泉寺に運ばれ、大切に保存されることになったと伝えられています。

交通アクセス

妙泉寺へはJR馬来田駅から徒歩または車でアクセス可能です。駅からは約2.5キロメートルの距離にあり、林道を進むと寺院の静かな環境にたどり着きます。

まとめ

妙泉寺は、鎌倉時代から続く長い歴史と、室町時代の梵鐘をはじめとする文化財で知られる曹洞宗の寺院です。静寂に包まれた境内と自然豊かな周辺環境は、訪れる人々に心の癒しを提供します。また、梵鐘にまつわる伝説は、寺院の歴史をより興味深いものにしています。ぜひ一度、妙泉寺を訪れてその魅力を体感してみてください。

Information

名称
大倉山 妙泉寺
(みょうせんじ)

木更津・君津

千葉県