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鹿野山

(かのうざん)

鹿野山は、千葉県君津市に位置する標高379メートルの山で、房総丘陵の一部を形成しています。千葉県では愛宕山に次いで2番目に高い山ですが、旧上総国では最高峰として知られています。自然豊かな環境と歴史的背景、さらに文学作品に登場することでも有名なこの山は、多くの観光客に親しまれています。

鹿野山の概要

山の構成と特徴

鹿野山は、白鳥峰(東峰:379m)、熊野峰(中央峰:376m)、春日峰(西峰:352.4m)の3つの峰から成る山です。これらの峰にはそれぞれ白鳥神社、熊野神社、春日神社が祀られています。この山全体が南房総国定公園に指定されており、自然の美しさを保ちながら観光地としても整備されています。

主要施設と見どころ

鹿野山の名前の由来

鹿野山という名称は、鹿が多く生息していたことに由来するとされています。この説の他にも、山から砂鉄が採掘できたために「金生山(きんせいざん)」と呼ばれたという説があります。

歴史と文化

古代からの伝説

鹿野山には、日本武尊が東征の際に訪れたという伝説があります。この際、地元の豪族・阿久留王(あくるおう)と戦い、山を征服したとされています。

神野寺の創建

598年、聖徳太子によって神野寺が開山されました。この寺院はその後、修験道の山として、また上総国と安房国を結ぶ街道の要所として発展しました。

近代の発展

1879年、日本最初の一等三角点が春日峰に設置され、地図作成の重要な基準点となりました。また、1960年代にはマザー牧場やゴルフ場がオープンし、鹿野山は観光地としても多くの人々を惹きつけています。

自然災害と対策

南側の斜面は地盤が弱く、1970年の豪雨をはじめとする自然災害により崩壊が発生しています。そのため現在も保全活動が行われています。

鹿野山と文学

文学作品に描かれた鹿野山

1922年には大町桂月が『鹿野山』を執筆し、その自然美を称賛しました。また、志賀直哉は学習院高等科在籍中に訪れた鹿野山の印象を基に、旅館「丸七」に滞在し『菜の花と小娘』を執筆しました。この作品はアンデルセンの童話に影響を受けたもので、後に子供雑誌に掲載され高い評価を受けました。

鹿野山に関連する文学碑

鹿野山の景勝地

九十九谷の景観

鹿野山の南斜面には、侵食によって形成された九十九谷という景勝地があります。この場所では、朝霧が谷間を埋める幻想的な風景を見ることができ、多くの観光客が訪れるスポットです。

砂採取の影響

市宿地区などでは、1960年代以降、山砂の採取が盛んに行われました。その結果、一部の山が失われてしまいましたが、近年では保全活動も進んでいます。

アクセス情報

公共交通機関でのアクセス

JR内房線「佐貫町駅」より、神野寺行きのバスで終点まで行くとアクセスできます。

車でのアクセス

高速道路や主要幹線道路からのアクセスも良好で、駐車場も完備されています。

鹿野山の魅力

鹿野山はその自然の美しさだけでなく、歴史や文化、文学においても多くの魅力を持っています。展望台からの眺望や歴史的な神社、文学碑などを巡りながら、鹿野山ならではの観光体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。

Information

名称
鹿野山
(かのうざん)

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