高宕山の概要
高宕山は、野生のニホンザルが生息していることで有名です。この地域は1956年に国の天然記念物に指定され、国土地理院の地形図にも「高宕山のサル生息地」と記されています。
また、周辺一帯は千葉県有林として保護されており、1935年には面積2342ヘクタールにおよぶ「千葉県立高宕山自然公園」に指定されました。この公園内にはシナノキが自生し、豊かな自然が広がっています。
山頂からの絶景
高宕山の山頂は眺望が良く、天候に恵まれると富士山や筑波山を一望できます。山頂には「雨乞いの釜」があり、昔から日照りの際に田んぼまで水を運ぶ祈願が行われていました。
高宕観音堂と石射太郎山
山頂から少し北側には「高宕観音堂」が位置しています。観音堂へは階段を登ってたどり着くことができ、古くから地域住民の信仰の対象となっています。
また、高宕山の手前には「石射太郎山」という山があります。この名前は、鹿野山から巨人が石を矢で射飛ばしたという伝説に由来します。この山は明治初期から大正初期にかけて石材の採掘場として利用されていました。
関東ふれあいの道
高宕山は「関東ふれあいの道」のルート上にあり、標識が整備されています。ハイキングや登山を楽しむ際には、このコースを利用するのが便利です。
高宕渓谷
高宕渓谷は、高宕山の西側に広がる美しい渓谷で、千葉県富津市宇藤原地区を流れる高宕川によって形成されています。
高宕渓谷の魅力
高宕渓谷では、春にはツツジやフジが咲き誇り、秋には美しい紅葉が楽しめます。また、「急駟滝」をはじめとした複数の滝が点在しており、気軽に沢歩きや滝めぐりができる場所です。
特に整備されたハイキングコースはありませんが、高宕山への登山ルートの一部として利用されています。川沿いには「川廻し」や「洗い越し」など、自然が織りなす地形も見られます。
自然とニホンザルの共存
高宕渓谷もまた、高宕山と同様にニホンザルの生息地となっています。1956年にはこの地域一帯が国の天然記念物に指定されました。
アクセスと注意事項
アクセス
富津市東大和田地区の国道465号から、高宕川沿いに伸びる市道を利用すると、高宕渓谷へ到着します。道中には未舗装の林道も含まれるため、運転には注意が必要です。
注意事項
高宕川の河床を遡行する自動車やバイク・自転車が地元住民との間でトラブルを引き起こしているため、ルールを守った利用を心がけましょう。
秘境としての高宕渓谷
ネット上では「T秘境」とも呼ばれ、隠れた観光地として人気を集めています。千葉テレビの『ちば美彩』などのメディアでも取り上げられることが多く、知名度が高まりつつあります。
まとめ
高宕山と高宕渓谷は、千葉県南部の豊かな自然を楽しめる観光スポットです。山頂からの絶景や渓谷美、そしてニホンザルとの出会いなど、多くの魅力にあふれています。ぜひ訪れて、この地域の自然と文化に触れてみてください。