概要
創建と歴史
吾妻神社の創建時期は不詳ですが、弟橘媛を祀る社として古くから信仰されてきました。『江戸砂子』には「君去津吾妻大明神はすなわち弟橘媛の霊社也」と記されており、社伝には日本武尊が東征中に弟橘媛が暴風を鎮めるために海へ身を投じた後、その袖が漂着した地に吾妻神社が建てられたと伝えられています。
境内の見どころ
鏡ヶ池
吾妻神社の境内には「鏡ヶ池」と呼ばれる池があります。この池は日本武尊やその従者たちが喉を潤し、身なりを整えた場所とされています。また、弟橘媛が使った鏡を沈めたという伝説もあり、その故事に因んで「鏡ヶ池」と名付けられました。現在の鏡ヶ池は古い池を修復したものですが、伝説の面影を残し、多くの参拝者を魅了しています。
富士塚
文久3年(1863年)、修験者の徳行明鐘(とくぎょうめいしょう)が富士山麓での修行を記念して建立した富士塚も見どころの一つです。この塚は富士山の火山岩を積み上げて作られ、頂上には富士本宮の祭神であるコノハナノサクヤヒメとニニギノミコトの石碑が祀られています。現在の富士塚は平成の県道拡張工事に伴い移設されたものですが、当時の姿を残しています。
金毘羅神社(金毘羅様)
吾妻神社の参道右側には金毘羅神社が祀られています。この神社は旧吾妻村が漁業の町として発展してきた歴史を象徴するもので、海の守り神として七福神とともに信仰されています。
山王神社(山王様)
参道左側には山の神様として山王神社が祀られています。この神社の特徴として、小さな社殿の脇に「見ざる」「言わざる」「聞かざる」の三猿が刻まれた石碑があります。これらの猿は庚申信仰の象徴とされ、厄除けとして信仰を集めています。
アクセス情報
交通手段
吾妻神社へのアクセスは以下の通りです:
- JR木更津駅西口から約1.5km(徒歩約20分)
- 木更津駅西口から小湊バスに乗車、「吾妻神社前」バス停で下車
まとめ
吾妻神社は、日本武尊と弟橘媛にまつわる伝説が息づく歴史ある神社です。境内には「鏡ヶ池」や「富士塚」、海と山の神々を祀る神社など、見どころがたくさんあります。また、アクセスも良好で、歴史や文化に触れたい方にはぜひ訪れていただきたいスポットです。