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神崎神社

(こうざき じんじゃ)

神崎神社は、千葉県香取郡神崎町に位置する歴史ある神社です。下総国香取郡に属し、主祭神として天鳥船命(あめのとりふねのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなびこなのみこと)を祀っています。かつては「子松神社」と称されていましたが、神崎神社と改名されてからも地域の信仰を集め続けています。

創建の由来と歴史

創建の伝説

神崎神社の創建年代は定かではありませんが、社伝によると白鳳2年(673年)、常陸と下総の境界にある大浦沼の二つ塚からこの地に遷座したとされています。つまり、非常に古い時代からこの地で信仰されてきた神社です。また、神崎神社は元慶3年(879年)には従五位下の神階を授けられ、重要な神社として認められていました。

子松神社から神崎神社へ

かつて神崎神社は「子松神社」と呼ばれていましたが、明治時代以降に「神崎神社」と改称されました。この名称変更により、地元の人々はより一層、この神社を中心に信仰を深めてきました。

神社の特徴

香取神宮との関係

神崎神社は、香取神宮の末社ではありませんが、特定の行事において密接な関係があったと伝えられています。例えば、式年造営の際には「あさめ殿」を造る役割を担っており、また、祭神である天鳥船命は、香取神宮や鹿島神宮と深く関わりのある神とされています。このことからも、神崎神社は地域の重要な宗教施設として機能していたことがうかがえます。

神崎の大クス(なんじゃもんじゃの木)

神崎神社の境内には、神崎の大クスと呼ばれる巨大なクスノキがあります。この木は、地域では「なんじゃもんじゃの木」として知られ、国の天然記念物に指定されています。樹齢は千年以上とされ、周囲13.1メートル、樹高19メートルという巨大な姿で、多くの参拝者を驚かせます。このクスノキは神の依代とされており、その神秘的な存在感が訪れる人々に感銘を与えています。

社叢林「神崎の森」

神崎神社の周囲には、豊かな自然が広がる「神崎の森」が広がっています。この社叢林は、千葉県の天然記念物に指定されており、地域の自然環境保護にも貢献しています。森の中には、古くから信仰の対象とされる木々や植物が多数存在し、訪れる人々に静寂と安らぎを提供しています。

神崎神社の歴史的な役割

戦国時代から江戸時代にかけての社領

神崎神社は、戦国時代には700町の社領を持ち、歴代の支配者から厚い庇護を受けていました。また、江戸時代には朱印領20石を有しており、地域の宗教的・文化的中心として機能していました。これにより、神崎神社は地域社会の安定と繁栄に寄与してきたと言えます。

神崎神社文書

神崎神社には、鎌倉時代初期から室町時代にかけての古文書や絵図が多数伝わっています。これらは「神崎神社文書」として知られており、中世の歴史を知る上で重要な資料とされています。これらの文書は、千葉県の有形文化財に指定されており、歴史研究の面でも高い評価を受けています。

神宮寺文書

神崎神社の別当寺であった神宮寺も、貴重な文化財を所蔵しています。「神宮寺文書」と呼ばれるこれらの文書は、大般若波羅蜜多経600巻のうち60巻を欠いているものの、南北朝時代の写経として価値が高く、当時の僧侶や寺院の様子を知る貴重な資料となっています。この文書もまた千葉県の有形文化財に指定されています。

交通アクセス

アクセス方法

神崎神社へのアクセスは、JR成田線の下総神崎駅から徒歩約20分で到着します。駅からの道のりは比較的平坦で、歩きやすい道が続いています。また、国道356号線茨城県道・千葉県道107号江戸崎神崎線を経由する車でのアクセスも可能です。神崎大橋南詰の近くに位置しているため、車で訪れる場合も便利です。

まとめ

神崎神社は、千葉県香取郡神崎町の歴史と信仰が深く根付いた神社です。古くから地域住民に愛され続け、豊かな自然に囲まれたこの神社は、訪れる人々に神聖な雰囲気と安らぎを提供しています。国の天然記念物に指定された「神崎の大クス」や貴重な歴史的文書の数々は、地域の文化遺産としても非常に重要な存在です。千葉県内を訪れる際には、ぜひこの神社を訪れ、歴史と自然の調和を感じてみてください。

Information

名称
神崎神社
(こうざき じんじゃ)

銚子・佐原

千葉県