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富里市

(とみさとし)

富里市は千葉県の北部中央に位置する市です。自然豊かで農業が盛んな地域として知られ、特に「スイカの名産地」として有名です。また、都市雇用圏における成田都市圏に属し、成田国際空港にも近接しており、交通の便も良好です。

歴史ある名所や旧跡、観光スポットが点在しています。また、毎年多くの催事が行われ、地域の伝統や文化を楽しむことができる魅力的な場所です。

名所・旧跡

富里市には、歴史的な価値のある名所や旧跡が数多く存在します。その一部をご紹介します。

末廣農場跡

富里市は近代農業発祥の地とされ、その象徴ともいえるのが「末廣農場跡」です。千葉県における農業発展の歴史を感じさせるこの場所は、当時の農業技術や地域の発展に貢献した重要な場所として知られています。

旧岩崎家末廣別邸

「旧岩崎家末廣別邸」は、近代和風建築として国の登録有形文化財に指定されている建物です。その美しい建築様式は、和と洋の文化が融合した当時の建築技術を今に伝えており、多くの観光客が訪れています。

高野野馬捕込跡

歴史的に重要な役割を果たした「高野野馬捕込跡」は、地域の伝統的な牧畜文化を物語る場所です。この場所はかつて、野馬を捕らえて調教するために使用されており、歴史的な背景を知ることで、当時の生活や産業についても理解が深まります。

高野六地蔵六観音

「高野六地蔵六観音」は、古くから地域住民の信仰を集めてきた場所です。この地蔵や観音像は、地域の人々が日々の安全や豊作を祈願した歴史を物語っています。

三谷胤政供養塔

「三谷胤政供養塔」は、歴史的に重要な人物である三谷胤政を供養するために建立された塔です。この供養塔は、地域の歴史に触れることができる貴重な文化遺産となっています。

大久保卿牧羊場選定の碑

「大久保卿牧羊場選定の碑」は、かつて富里市に存在した牧羊場の歴史を今に伝えています。この碑は、当時の畜産業の発展と大久保卿の業績を称えるものです。

富里牧羊場跡

富里市には、かつて牧羊が盛んに行われていた歴史があり、「富里牧羊場跡」はその象徴です。牧羊産業が発展する中で、この地は重要な役割を果たしていました。

中沢四ツ塚・四ツ又弁天の水田景観

「中沢四ツ塚」や「四ツ又弁天の水田景観」は、印旛沼に流れ込む高崎川とその支流が合流する谷に広がる美しい谷田の景観が楽しめる場所です。自然と人々の生活が調和した風景が広がり、四季折々の風景を堪能することができます。

観光スポット

富里市には、歴史的な名所以外にも、多くの観光スポットがあります。特に、明治期に御料牧場が設けられていたことから、乗馬が楽しめるスポットが点在しています。

乗馬クラブ

富里市には、乗馬を楽しめる場所が多くあります。広大な自然の中で馬と触れ合い、乗馬を体験できるのは、都会の喧騒から離れたリラックスした時間を過ごすにはぴったりのアクティビティです。詳細については、富里観光協会「見る・遊ぶ」の情報をご覧ください。

温泉

富里市には、癒しを求める人々にぴったりの温泉施設もあります。自然豊かな環境の中で、心身ともにリフレッシュできる温泉体験をお楽しみください。

富里温泉

「富里温泉」は、ナトリウム - 塩化物強塩泉で、体の芯から温まる効果があります。特に冷え性や筋肉の疲れを癒したい方におすすめの温泉です。

天然温泉 黄金の里

「天然温泉 黄金の里」は、豊かな自然に囲まれた環境の中で、ゆったりとしたひとときを過ごせる温泉施設です。癒しと共に、富里市の美しい景色を楽しむことができます。

祭事・催事

富里市では、地域の伝統を感じられる祭事や、観光客を楽しませる催事が数多く開催されています。これらのイベントは、地元の人々との交流や、富里市の文化に触れる絶好の機会です。

スイカロードレース大会

毎年6月に開催される「スイカロードレース大会」は、ショートマラソンイベントとして地元住民や観光客に人気の行事です。富里市はスイカの産地としても有名で、この大会では、スイカを片手に楽しく走る光景が見られます。

富里ふるさとまつり

「富里ふるさとまつり」は、伝統芸能の披露や花火が打ち上がる夏祭りとして知られています。地域の伝統を感じながら、夏の夜を楽しむことができるこのお祭りは、多くの人々で賑わいます。

すいかまつり

「すいかまつり」は、富里市ならではのイベントです。スイカや地元の野菜の即売会や、すいか共進会の表彰式が行われ、地元の味覚を楽しむことができます。また、様々なイベントや露店も出店し、家族連れで賑わう楽しい一日を過ごせます。

Jazz Festival in とみさと

「Jazz Festival in とみさと」は、千葉県立富里高校ジャズオーケストラ部によるジャズ演奏が楽しめるイベントです。ゲストには、本場アメリカで選出された高校生や、国内外で活躍するプロのジャズアーティストが参加します。また、富里高校のOB・OGからなるジャズバンドも毎年出演し、質の高い演奏が堪能できる音楽イベントです。

富里市の概要

富里市は面積のおよそ68%以上が山林や農地で構成されており、住宅地は全体の14%程度です。市のキャッチフレーズは「人と緑が調和し未来を拓く臨空都市」で、このキャッチフレーズに基づき、自然環境と都市機能のバランスが取れた地域を目指しています。

富里市は2002年に市制を施行し、それ以前は印旛郡富里町として存在していました。市としての誕生は、2000年の国勢調査で当時の人口が市制施行の要件である5万人を超えたことが契機となりました。

富里市の特産品

スイカの名産地

富里市は、熊本県に次ぐ全国第2位のスイカの生産地です。毎年6月には「スイカロードレース大会」が開催され、参加者は1万人を超えます。給水所の代わりに、給スイカ所が設置され、ランナーにカットスイカが提供されるというユニークなイベントも行われています。

スイカ模様のガスタンク

かつて市内には、スイカ模様の巨大なガスタンクがありました。これは東京ガス(旧・千葉ガス)の富里供給所にあり、直径33.8メートルという巨大なものでしたが、2021年に解体されました。このガスタンクは、富里市のシンボル的存在でした。

御料牧場と競走馬

明治時代に御料牧場が設置されたことから、富里市は「競走馬のふるさと」としても知られています。現在でも市内にはその歴史を感じさせる場所が多く残っています。

地理と交通

富里市は千葉県北部中央に位置し、千葉市から約25キロメートル、東京都心から50~60キロメートル圏内にあります。また、成田国際空港からはわずか5キロメートル圏内で、交通アクセスが非常に便利です。地理的には関東平野に属し、平坦な地形の下総台地に位置しています。

市域の大きさ

歴史

中世から近世の富里

富里市には広大な原野が広がり、古くから牧場が存在していました。江戸時代には幕府直轄の牧場として、佐倉七牧の一つ「内野牧」が設置され、馬の飼育が行われていました。

近代の開発

明治時代には、新政府が困窮する人々のために牧場の開拓を進め、富里市にも開拓民が集まりました。しかし、厳しい環境の中で土地を去る人々も多く、開拓は困難を極めました。現在の地名のいくつかは、この開拓時代に由来しています。

昭和時代の成田空港問題

1960年代に成田空港建設計画が浮上した際、富里市も空港の候補地の一つとされました。しかし、住民の多くはこの計画に反対し、反対運動が活発化しました。最終的に空港は成田市三里塚に建設されることが決定し、富里市内での空港問題は収束しました。

平成時代の文化財

平成24年には、富里市に旧岩崎家末廣別邸が寄贈されました。この建物は2013年に市指定史跡となり、さらに国の登録有形文化財にも指定されました。

市名の由来

富里市の名前は、1889年に施行された町村制の際、13村が合併し「十三の里」と呼ばれていたことから「十三里」→「とみさと」→「富里」と変化したものです。

経済と産業

農業

富里市の農業は特に盛んで、スイカの生産が有名です。1933年にスイカ栽培が始まり、1936年に皇室へ献上されたことから、スイカの名産地として全国にその名を知られるようになりました。

工業と商業

成田空港に近いため、空港関連施設や宿泊施設に関連する産業が活発です。また、市内には多くの商業施設があり、特にロードサイド店舗や大型店舗が集中しています。

まとめ

富里市は、歴史的な名所や豊かな自然、温泉や催事を通じて、多彩な魅力を持つ観光地です。訪れるたびに新しい発見があり、地元の文化や自然との触れ合いを楽しむことができます。歴史に触れたり、自然の中で癒しを求めたり、イベントに参加して地元の人々と交流したりと、様々な楽しみ方ができる富里市に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

Information

名称
富里市
(とみさとし)

成田・佐倉

千葉県