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旧学習院初等科正堂

(きゅう がくしゅういん しょとうか せいどう)

千葉県成田市に所在する旧学習院初等科正堂は、19世紀末の明治時代後期に建造された学校建築であり、国の重要文化財に指定されています。この建物はもともと東京府四谷区尾張町(現在の東京都新宿区)に学習院初等科の講堂として建てられましたが、その後、昭和初期に千葉県成田市の下総御料牧場跡地に移築され、現在は「千葉県立房総のむら」の一部として保存・公開されています。

旧学習院初等科正堂の歴史

旧学習院初等科正堂の歴史は、1899年(明治32年)に東京市四谷区尾張町に建造されたことから始まります。その後、皇太子(後の昭和天皇)の入学に伴い改築されることになり、1937年(昭和12年)には下総御料牧場の跡地である千葉県成田市遠山地区に移築されました。

主な年表

建築様式とその特徴

旧学習院初等科正堂は、西洋建築のデザインを取り入れつつ、日本の伝統的な木造建築技術が融合された珍しい構造です。この時代に造られた学校建築としては非常に貴重であり、特に内部の講堂部分は天井の高さや木造の梁構造が見どころです。

建物の詳細情報

三里塚闘争と旧学習院初等科正堂

1970年代にかけて、新東京国際空港(現在の成田国際空港)建設に伴う三里塚闘争が起こりました。この建物は、反対運動の決起大会などにも利用された歴史を持っています。

現在の役割と保存状況

旧学習院初等科正堂は、現在「千葉県立房総のむら」の敷地内にあり、一般公開されています。この施設では江戸時代から明治時代にかけての街並みや農村風景が再現されており、歴史的な文化財の保存と体験型の教育が行われています。

千葉県立房総のむら

千葉県立房総のむらは、千葉県印旛郡栄町にある体験型の博物館であり、成田市との境界にまたがっています。房総地方の歴史や文化を体験できる施設として、地元の人々だけでなく観光客にも人気があります。園内には、旧学習院初等科正堂をはじめとして、江戸時代から明治時代にかけての様々な建物が移築されています。

房総のむらの主な見どころ

「ふるさとの技体験エリア」

このエリアでは、江戸時代の商家や武家屋敷、農村の風景が再現されており、訪問者は当時の生活技術を体験することができます。村の鍛冶屋や農家の作業を見学したり、実際に体験することができ、特に観光客には好評です。

「風土記の丘エリア」

風土記の丘エリアには、日本でも有数の古墳群「龍角寺古墳群」があります。国の史跡であるこの古墳群は、考古学的な価値も高く、多くの歴史ファンや研究者が訪れます。また、このエリア内には、旧学習院初等科正堂や旧御子神家住宅などの歴史的建造物が移築され、文化財として大切に保存されています。

体験プログラムと伝統行事

千葉県立房総のむらでは、歴史や文化を体験できる多様なプログラムが提供されています。例えば、「古代米の料理」や「かまどでの炊飯」など、昔の生活を体感できる食体験も人気です。さらに、ひな祭りや七夕、秋のまつりといった伝統的な行事の再現や、狂言や大道芸といった郷土芸能の上演も行われています。

ロケ地としての房総のむら

「房総のむら」は、その歴史的な街並みや風景が映画やドラマの撮影地としても知られています。NHKの大河ドラマや映画『蟬しぐれ』など、数々の作品の撮影が行われており、その美しい風景が多くの映像作品で紹介されています。

アクセスと利用情報

公共交通機関でのアクセス

自動車でのアクセス

開館時間と入館料

バリアフリー対応

園内はバリアフリー化が進んでおり、車椅子の利用者にも配慮された設計となっています。さらに、おむつ交換台や授乳室、常備車椅子の貸出サービスなど、幅広い年齢層の訪問者が安心して利用できる環境が整えられています。

まとめ

旧学習院初等科正堂と千葉県立房総のむらは、歴史的な価値を持つ建造物や文化財を体験しながら学ぶことができる貴重な施設です。訪問者は、過去の日本の文化や生活に触れる機会を得ることができるため、家族連れや歴史愛好者、観光客にとっても魅力的なスポットとなっています。

Information

名称
旧学習院初等科正堂
(きゅう がくしゅういん しょとうか せいどう)

成田・佐倉

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