神社の概要
諏訪神社の歴史
諏訪神社は、現利根川水系と現江戸川水系の分水嶺にあたる台地上に鎮座しています。この地域には「諏訪神社遺跡」があり、縄文時代後期から人が住んでいた痕跡が確認されています。社伝によれば、天武天皇の皇子・高市皇子の後裔が大同2年(807年)にこの地に移住し、当地の守護神として信州の諏訪大社から分祀されたとされています。さらに、景行天皇の御代にはすでに祀社があったとも伝えられています。
この神社の歴史的な背景には、大和国の大神神社や筑紫国の宗像大社との関係も指摘されています。また、境内にかつて存在した別当寺・奥の院である成顕寺は、弘法大師の弟子によって大同年間に建立されたとされています。
神馬像と源義家の伝承
諏訪神社には、平安時代末期の武将・源義家にまつわる伝承が残されています。後三年の役で奥州に向かう途中、義家がこの地に立ち寄り、軍馬の調達を行ったとされています。戦勝後、義家は感謝の気持ちを込めて献馬を行い、その際に乗馬の鞍を境内の松の木に掛けたという話が伝わっています。この伝承に因んで、境内には「神馬の像」と「義家献馬の像」(北村西望作)の青銅像が立てられています。
徳川光圀との関わり
江戸時代には、徳川光圀が諏訪神社を参拝した記録が残されています。明治以降、周辺の神社が諏訪神社境内に遷されることが多くなり、摂末社が増え、地域の中核的な神社としての役割を担ってきました。現在では、敷地は約一万坪に及び、境内には第一鳥居、第二鳥居、随神門、第三鳥居、瑞垣門、社殿、摂末社が整然と配置されています。また、境内には鬱蒼とした大樹が立ち並び、自然豊かな雰囲気を醸し出しています。
境内の見どころ
社殿の再建
諏訪神社の元の社殿は1749年(寛延2年)の火災で焼失しましたが、1826年(文政9年)に本殿が、1846年(弘化3年)に拝殿が再建されました。この歴史ある建物は、1980年に流山市の有形文化財に指定されており、その壮大な構造と古風な趣が訪れる人々を魅了しています。
御神水
諏訪神社には「御神水」として古くから信仰の対象となっている清水があります。江戸後期に書かれた『小金紀行』には、「神垣の 杉のうつろの 真清水は つきぬ恵みの ためしなるらむ」と記され、境内の杉の大木にある洞から湧き出る清水は、その信仰を集め続けています。この清水は訪れる人々に癒しと恵みを与えてくれる存在として、今も多くの参拝者が訪れています。
摂末社
諏訪神社には多くの摂末社があり、それぞれの神社にも歴史と特色があります。以下に主要な摂末社を紹介します。
姫宮神社
諏訪大神の后神である八坂刀売神を祭神とする姫宮神社は、創建時期は不詳ですが、諏訪神社境内に祀られています。もともとは現諏訪神社の東側に位置する字姫宮にあり、明治時代中期に遷座されました。例祭は1月20日です。
雷神社
別雷神を祭神とする雷神社は、もともと駒木字堂台にあり、明治時代中期に諏訪神社に移されました。例祭は「農前祭」として5月1日に行われます。
天神社
菅原道真を祭神とする天神社は1462年に創建され、1985年に諏訪神社に移されました。例祭日は3月25日です。
国魂神社
国魂神社は1887年(明治20年)に出土した板碑を「道灌さま」として祀ったことが始まりです。例祭日は9月20日です。
稲荷神社
宇迦之御魂神を祭神とする稲荷神社は、例祭が2月の初午の日に行われます。
恵比寿神社
恵比寿を祭神とする恵比寿神社は、4月23日に例祭が行われます。
招魂之社
1949年に創建された招魂之社は、戦没者の慰霊を目的としています。顕彰と安鎮の祭典は4月と11月の23日に行われます。
大鳥神社
日本武尊と弟橘媛を祭神とする大鳥神社の例祭は、11月初酉の日に行われます。
主な祭事
年間の主要な祭事
諏訪神社では、年間を通じて多くの祭事が行われています。主な祭事には、以下のものがあります。
- 歳旦祭:1月1日
- 元始祭:1月3日
- 春祭:4月23日
- 御涼祭:7月14日
- 神幸祭:8月22日
- 例祭:8月23日
- 七五三詣:11月15日前後
- 秋祭:11月23日
交通アクセス
公共交通機関でのアクセス
諏訪神社へのアクセスは以下の通りです。
- 東武鉄道野田線「豊四季駅」より徒歩約5分
- 首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス・東武鉄道野田線「流山おおたかの森駅」より徒歩約15分
まとめ
諏訪神社は、歴史的背景や豊かな自然に恵まれた神社で、地域の信仰の中心として長く愛され続けています。多くの祭事や文化財、広大な境内は、訪れる人々に歴史の重みと神秘的な雰囲気を感じさせます。豊四季駅や流山おおたかの森駅から徒歩でアクセスできる便利な立地も魅力です。ぜひ一度、諏訪神社を訪れて、その豊かな歴史と文化を体感してみてください。