神社の概要
茂侶神社は、もともと「三輪神社」と呼ばれており、その名称は奈良県の大神神社に由来します。茂侶神社の鎮座する場所は三輪山の旧名「御諸山(みもろやま)」の「モロ」に由来し、神社の所在地である台地も「三輪山(三輪野山)」と呼ばれているのです。この神社は古代から存在し、地域の重要な信仰の場となっています。
所在地
茂侶神社は千葉県流山市三輪野山にあり、周辺には豊かな自然が広がり、歴史的な名所が点在しています。江戸時代には広大な神域を持っていたとされ、今もその名残が感じられる場所です。
鳥居と参道
一の鳥居
茂侶神社の入り口に立つ「一の鳥居」は、参拝者を迎える象徴的な門です。この鳥居をくぐることで、神域に足を踏み入れることができ、神聖な雰囲気が漂っています。
二の鳥居
参道を進むと「二の鳥居」が現れます。この鳥居は境内のさらに奥へと続く道を示し、神社の中心部分へと導いてくれます。二つの鳥居をくぐることで、より深く神の世界に近づくことができるとされています。
祭神について
大物主命(おおものぬしのみこと)
茂侶神社の主祭神は「大物主命(おおものぬしのみこと)」で、奈良県にある三輪山の大神神社の分霊とされています。この神は、国土の守護や農業の神として広く信仰されており、地域の人々に豊穣や繁栄をもたらす存在として崇められています。
茂侶神社の歴史
茂侶神社は、平安時代に編纂された『延喜式神名帳』に「下総国葛飾郡 茂呂神社」として小社に分類され、その論社(異説の存在する神社)とされています。茂侶神社には他にも、松戸市や船橋市に同名の論社が存在しています。この神社の歴史は古く、国史において最初に茂呂神が登場したのは、『日本三代実録』貞観13年(817年)11月12日付の記録で、「茂呂神に従五位上の神階を授ける」と記されています。また、その後、元慶3年(879年)9月25日には正五位上を授けられた記録も残っています。
創建時期と神域の広がり
茂侶神社の創建については詳しい記録がなく、創建時期は不明とされています。しかし、その祭神である大物主命が奈良の大神神社から分霊されたことから、古くから存在した神社であることが推測されます。神社が鎮座する台地も「三輪山」と呼ばれ、その広大な神域は、かつては神宮寺跡や旧参道、西平井の鳥居跡、八木郷の地名などを含んでいたとされます。
江戸時代の変遷
江戸時代初期の慶長3年(1598年)、江戸川が掘削され、その影響で茂侶神社の神域が分断されました。これに伴い、元和年間に江戸川の西岸に分社が設けられ、それが「三輪神社」と呼ばれるようになりました。また、茂侶神社には江戸幕府から毎年25石の祭祀料が捧げられ、その信仰の重要性がうかがえます。
茂侶神社の境内
本殿
茂侶神社の本殿は、長い歴史を持つ建物で、その壮麗な姿が参拝者を迎えます。本殿は、神社の中でも最も神聖な場所であり、祭神である大物主命が祀られています。
拝殿
拝殿は、参拝者が祈りを捧げる場所として重要な役割を果たしています。平成7年には拝殿の瓦の葺き替えが行われ、現在も美しく保存されています。この場所で参拝することで、訪れた人々は神のご加護を祈り求めることができます。
神宮寺の跡
茂侶神社の境内には、かつて存在した神宮寺の跡があります。この寺は、かつて神仏習合の時代に神社とともに信仰されていた仏教寺院でした。現在もその跡地には、当時の名残が残されており、歴史の一端を感じることができます。
茂侶神社の祭事
ヂンガラ餅
茂侶神社で行われる最も有名な祭事の一つが「ヂンガラ餅」です。この行事は1月8日に行われる「オビシャ」(新年祭)の際に催されます。祭りでは、鏡餅が神前に供えられた後、氏子たちがその餅を引きちぎり合います。その年の作柄は、餅の割れ方によって占われるとされており、地域における農業の豊穣を祈願する行事となっています。この「ヂンガラ餅」の行事は、流山市によって無形民俗文化財に指定されています。
茂侶神社の文化財
無形民俗文化財
茂侶神社の「ヂンガラ餅行事」は、流山市指定の無形民俗文化財として認定されています。この行事は古くから地域に根付いており、今も多くの参拝者や地域住民によって大切に守られています。伝統を受け継ぐこの行事は、地域の文化や信仰を象徴するものです。
交通アクセス
茂侶神社へのアクセス方法は、公共交通機関を利用する場合、以下のルートが利用可能です。
最寄り駅からのアクセス
- 東武野田線「初石駅」から徒歩約25分
- 首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス・東武野田線「流山おおたかの森駅」から徒歩約25分
- 首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス「流山セントラルパーク駅」から徒歩約25分
- 流鉄流山線「流山駅」から徒歩約25分
まとめ
茂侶神社は、長い歴史を持ち、地域の信仰と深く結びついた神社です。大物主命を祭神とし、農業や豊穣を祈願する場として、多くの参拝者を集めています。また、ヂンガラ餅のような伝統的な祭事も今なお続いており、地域文化の重要な一部となっています。歴史的な背景や美しい境内を持つ茂侶神社は、ぜひ訪れる価値のある場所です。