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我孫子市鳥の博物館

(あびこし とり はくぶつかん)

我孫子市鳥の博物館は、千葉県我孫子市が運営する鳥類に関する博物館です。日本で唯一、鳥類について総合的に研究・展示を行う施設であり、「鳥博(とりはく)」としても親しまれています。この博物館は手賀沼のほとりに位置し、「人と鳥の共存を目指して (Harmony among Birds and People!)」という理念を掲げ、自然観察会や探鳥会などを通じて、自然と鳥の保護を啓蒙しています。

博物館の展示と施設

常設展示室

我孫子市鳥の博物館では、約270点の鳥類の剥製が展示されており、大型のトキや小型のマメハチドリまで様々な種類の鳥が揃っています。また、絶滅した巨鳥エピオルニスの卵や、始祖鳥の化石レプリカ、約500万年前の羽毛の化石など、貴重な展示物もあります。さらに、手賀沼の自然を再現したジオラマや、世界の鳥の展示コーナーも設置されています。

企画展示室

定期的に特別展示や企画展が行われ、鳥類や自然環境に関するテーマを掘り下げた展示が楽しめます。これにより、常に新しい学びや発見が提供され、訪れるたびに異なるテーマで鳥類についての理解を深めることができます。

体験学習室

体験学習室では、鳥類に関する体験型の学習プログラムが提供されており、子供から大人まで楽しく学べる環境が整っています。特に、バードコールの制作や鳥の声を聞く体験など、実際に触れて学べる活動が人気です。

鳥の資料室

鳥の資料室では、図書や映像を通じて、より深く鳥類に関する知識を学べます。専門的な資料から、初めて鳥に触れる人でも楽しめる内容まで、幅広い情報が提供されています。

ミュージアムショップと展望テラス

館内にはミュージアムショップもあり、鳥に関連するグッズやバードコールなどが販売されています。また、展望テラスからは手賀沼を一望でき、自然の美しさを感じながらリラックスできるスポットです。

イベントと活動

自然観察会「あびこ自然観察隊」

博物館では、フィールドミュージアムとしての活動も積極的に行っています。特に自然観察会「あびこ自然観察隊」では、手賀沼周辺の豊かな自然環境を観察しながら、鳥類や生態系について学ぶことができます。専門家の解説を聞きながら自然に触れることで、より深い知識を得ることができます。

定例探鳥会「てがたん」

毎月第2土曜日には、手賀沼周辺で定例探鳥会「てがたん」が開催されています。初心者からベテランのバードウォッチャーまで、幅広い参加者が集い、手賀沼の鳥たちを観察することができます。季節ごとに異なる鳥の姿を楽しめるため、年間を通して楽しめるイベントです。

設立の経緯と背景

設立のきっかけ

我孫子市鳥の博物館の設立は、1984年に山階鳥類研究所が我孫子市に移転したことを契機としています。1988年に設計が開始され、1990年5月20日に隣接地に開館しました。山階鳥類研究所は民間の研究機関であり、我孫子市鳥の博物館とは独立した組織ですが、設立当初から深い関係がありました。

手賀沼の浄化運動

博物館設立の背景には、手賀沼の水質汚濁の問題がありました。1970年代には、手賀沼は全国の湖沼の水質ランキングで最悪の状況にあり、その浄化を目指して市民運動が活発化しました。我孫子市は、鳥類を通じた自然保護活動でも知られる山階鳥類研究所を誘致し、市民に自然や鳥についての知識を深めてもらうことを目的として博物館を設置しました。

渡辺藤正市長のビジョン

1985年当時の我孫子市長、渡辺藤正氏は、山階鳥類研究所移転に際し、「市では、これを機に広く一般市民に開放できる鳥類展示館の建設や『市の鳥』制度を進めてまいる考えでおります」と述べ、鳥の博物館の設立に向けたビジョンを明確にしていました。このビジョンに基づき、博物館は市立の独立した施設として設立されました。

山階鳥類研究所の協力

山階鳥類研究所も、創設者の山階芳麿が鳥類に関する博物館を建設する夢を抱いており、博物館設立に向けた協力を惜しみませんでした。研究所の職員が「我孫子市鳥の博物館建設委員会」に参加し、鳥類に関する基礎的資料の提供や展示標本の収集、制作を支援しました。開館当初の館長も、研究所の所長である黒田長久が兼務していました。

開館情報と入館料

開館時間

博物館の開館時間は午前9時30分から午後4時30分までです。月曜日が休館日ですが、月曜が祝日の場合は翌平日が休館となります。また、年末年始は12月28日から31日、および1月2日から3日まで休館となり、1月1日は特別に開館しています。

入館料

入館料は以下の通りです。

ただし、特別展示や企画展の場合は特別料金が設定されることがあります。また、以下の日には入館無料となります。

入館料免除の条件

次の場合、入館料が免除されます。

3館共通券

白樺文学館、杉村楚人冠記念館、我孫子市鳥の博物館の3館共通券は500円で販売されています。これにより、3つの博物館を1枚のチケットで訪れることができ、我孫子市の文化や自然を深く楽しむことができます。

交通アクセス

鉄道アクセス

JR常磐線我孫子駅から路線バスを利用し、「市役所」バス停で下車後、徒歩5分で到着します。土休日には我孫子駅や天王台駅から「鳥の博物館前」バス停までの直通バスも運行しています。また、JR成田線東我孫子駅からはタクシーで約8分、徒歩では約25分です。

自動車でのアクセス

常磐自動車道柏インターチェンジから国道16号を千葉市方面に進み、大島田交差点を左折します。そこから千葉県道8号線(船橋取手線)を経由して手賀沼大橋を渡り右折すると博物館に到着します。一般道からは、国道6号を利用し、電力中央研究所を過ぎた後、手賀沼大橋手前の若松交差点を左折します。

Information

名称
我孫子市鳥の博物館
(あびこし とり はくぶつかん)

柏・松戸

千葉県